【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
トレイ先輩から聞いた、リドル寮長の幼少期……それを知った今、もう痛みは感じなかった。
両親による厳しい教育と、期待に応えなければというプレッシャー……
ルールに縛られて育てられれば、誰だってそれが正しいと思うに決まってる。
ユウ
「僕は……わかってたんです」
リドル寮長こそ、間違ってることを間違ってると言うことを許されなかった、被害者だ。
ユウ
「リドル寮長は厳しい人だけど、決して悪い人とは感じなくて……あの厳格さにも、何か理由があるんだろうって……わかってたのに」
私の目から、また涙が溢れてくる。
ユウ
「僕は、リドル寮長に……一番、酷い言葉を……」
トレイ先輩が私を殴ってでも止めようとしたのは、当然だと思った。
私は……なんてことを言ってしまったんだ……
ユウ
「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい……!!」
また私が俯くと、トレイ先輩に今度は頭を撫でられた。
こんな風に優しくして貰う資格が、今の私にあると思えなくて……また申し訳なさでいっぱいになる。
そのうち、エース達も私達の方へ歩み寄ってきた。
グリム
「ユウ……もう泣き止むんだゾ〜」
そう言うグリムも、明らかに涙目。
エース
「……こうなるから、会わせるのは反対だったんだよ」
デュース
「会いたいと言ったのはユウだ。僕達に、それを邪魔する権利はないだろう」
デュースが、私の肩に手を置く。
デュース
「……落ち着いたか?」
ユウ
「うん……」
私はデュースに頷いた。
エースが私の隣に立って、トレイ先輩の方を見る。
エース
「アンタの話を聞いて、よーくわかった。リドル寮長があんななのは、アンタのせいだわ」
「「「えっ!?」」」
エース何言ってんの!?
エース
「リドル寮長が親を選べなかったのは、しょうがない。でもアンタは、少なくとも寮長の親が寮長にやってたことは間違ってるって昔から思ってたんでしょ?」
トレイ
「それは……」
エース
「今の寮長が親と同じ間違いしてるって思ってるなら、ちゃんと言えよ。直してやれよ。可哀想な奴だからって同情して、甘やかして、どうすんの?アイツがみんなに嫌われて、孤立してくの見てるだけ?」