【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
グリム
「ふぎゃーーー!!!生首お化け〜〜!!」
ユウ
「生首お化け!!??」
???
「おっと、身体を出すの忘れとったわ」
人の頭の下に、身体が現れる。
デュース
「な、なんだ。ちゃんと身体もあるんじゃないか」
ユウ
「とっ、透明になってたってこと……?」
にしたって、頭だけ出して話しかけるかね!?
ユウ
「……貴方は、誰ですか?」
???
「俺は、アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカー。猫のような、人のような魔力を持った、摩訶不思議なヤツ」
所々にピンクが混じった紫の髪、金色の瞳、頭には猫のような耳……ダボついた白いシャツとボーダー柄のインナーで、デコルテラインを大きく晒した格好をした人だった。
アイラインやアイシャドーが引かれた派手なメイクで、不敵に笑ってる。
エース
「アルチェ……なんだって?」
???→チェーニャ
「みんなチェーニャって呼ぶかねぇ。少なくとも……そのへんのヤツらとはレベルが違うぜー」
ロシア人みたいな名前……
ユウ
「また変な人が……」
私はハッとして口を押さえたけど、チェーニャさんの耳にはバッチリ届いてしまった。
チェーニャ
「そうかい?ここいらじゃあ、これくらい普通だけどね」
お、怒ってはない……?
ユウ
「えっと……チェーニャさんは、どの寮の人なんですか?」
寮服を着てないってことは、ハーツラビュル寮の人ではないんだろうけど……
チェーニャ
「何寮か当ててみにゃぁ〜」
グリム
「わかった!頭に耳があるから、さば……さばにゃ寮だゾ!」
ユウ
「サバナクロー寮ね」
チェーニャ
「ブッブー。不正解〜。鯖は海で泳ぐもんだろー。俺は猫だから、鯖じゃない」
誰も鯖とは言ってない!
デュース
「それに、他の寮にも頭に耳がある奴はいるぞ」
ユウ
「あ、そうなんだ」
……ん?じゃあ結局、チェーニャさんはどこの寮の所属なんだろ?
もう一度聞こうとチェーニャさんの方を見ると、チェーニャさんも何故か私を見つめてた。