【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
クロウリーさんについて行き、私は再び図書室を訪れた。
クロウリーさんが数冊の本と地図を持ってきて、机の上に広げる。
クロウリー
「…………」
最初にじっくりと地図を見つめる。
分厚い本を開き、パラパラとページをめくっていく。
本と地図を交互に見ながら、地図の上に指を走らせる。
クロウリー
「…………」
ドキドキ
ユウ
「ど、どうですか?」
待つのに耐えられず私が聞くと、クロウリーさんはゆっくりと首を横に振った。
クロウリー
「やはり、ない。世界地図どころか、有志以来どこにも、貴女の出身地の名前は見当たりません」
ユウ
「そ、そんな訳ないです!私が探して……って、何この地図!?」
これが世界地図!?大陸の大きさ形も配置も、全く違う!メルカトル図法はどこへ!?
戸惑いながら顔を上げると、イラついた様子のクロウリーさんと仮面越しに目が合う。
クロウリー
「貴女、本当にそこから来たんですか?嘘をついているんじゃないでしょうね?」
は?
ユウ
「私が……?」
嘘をついている、って?
ユウ
「……言うに事欠いて、それですか……あんまりです」
ガシッ
クロウリー
「!?」
ここにきて疑いにかかってくるクロウリーさんにムカついて、私は思わずその胸ぐらを掴んだ。
ユウ
「私がっ、嘘をついてどうするって言うんですかーーーー!!」
クロウリー
「うわ!!や、やめなさい!」
怒り爆発。
ユウ
「私は!今すぐ!自分の家に帰りたいんですよ!?」
クロウリーさんの胸ぐらを掴んだまま、激しく揺さぶった。
ユウ
「カレッジだの!魔法だの!闇の鏡だの!!おまけにデタラメな地図まで引っ張り出して来て……そっちこそっ、私を!騙そうとしてるんでしょーーーー!!」
クロウリー
「お、おち、おちつっ」
ユウ
「このっ、この……変態仮面誘拐犯ーーーー!!」
クロウリー
「落ち着きなさい!今のは私が悪かった!謝りますから!」