【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
リドル
「ボクが寮長になって1年。ハーツラビュル寮からは、1人の留年者・退学者も出していない。これは、全寮内でハーツラビュルだけだ」
リドル寮長の話を聞きながら、私は自分の胸に手を当てた。
怒りとは違う、ムカムカとした気持ち悪さを感じる。
リドル
「この寮の中でボクが、一番成績が優秀で、一番強い。だから、ボクが一番正しい!口答えせず、ボクに従っていれば間違いないんだ!」
デュース
「そんな……!」
気持ち悪い……
リドル
「ボクだって、やりたくて首をはねてるわけじゃない。お前たちがルールを破るからいけないんじゃないか」
トレイ
「………」
リドル寮長が、キッと私達を睨む。
リドル
「ボクに従えないのなら、まとめて首をはねてやる!」
ケイト
「みんな、ほら。『はい、寮長』って言って」
デュース
「…………言えません」
ユウ
「嫌です!」
その場しのぎの嘘だとしても、絶対に言いたくない!
エース
「こんなワガママな暴君、こっちから願い下げだ!」
リドル
「今、なんて言った?」
リドル寮長の声が低くなる。
グリム
「オマエはおこりんぼでワガママで食べ物を粗末にするバカな暴君、って言ったんだゾ!」
デュース
「お、おい、そこまでは言ってな……」
リドル
「首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)ーーーーー!!!!」
ガガチャンッ!
グリム/デュース
「うわああーー!!!」
ユウ
「グリム!?デュース!!」
2人の首に、魔法封じの首輪が付けられてしまった。
グリム
「ぐええ!またこの首輪なんだゾ!!」
デュース
「くそっ、外れない!」
ユウ
「どうしてこんな……」
リドル
「トレイ、ケイト!こいつらをつまみ出せ!」
トレイ/ケイト
「…………はい、寮長」
私はリドル寮長に向かって行こうとしたけど、トレイ先輩に阻まれてしまった。
デュース達は、ケイト先輩に押さえられる。
デュース
「せ、先輩たち!?」
ケイト
「ごめんねー。オレたち、寮長には逆らえないからさ☆」
トレイ
「……悪いな」
エース
「あぁ〜〜〜、そうかよ!やってやらあ!」
トレイ
「…………」
トレイ先輩に背中を押されながら、私は考えた。