【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
エース
「ちょっと待てよ!そんな無茶苦茶なルールあるか!」
ユウ
「マロンタルトを捨てるなんてやめて下さい!」
グリム
「そうだゾ!捨てるんだったら、オレ様が食う!」
こちらに近づいて来たトレイ先輩とケイト先輩が、リドル寮長の前に立つ。
トレイ
「寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です」
ケイト
「そうそう。まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて」
リドル
「作ったことが重要なんじゃない。今日!今、ここに!持ち込んだこと“だけ”が問題なんだ!」
気持ち悪い……
ユウ
「そんなおかしなルールに従ってるなんて、馬鹿みたい」
滑るように、私は口から本心を吐き出していた。
リドル
「馬鹿……だって?」
ユウ
「どんなルールがあったって、食べ物を粗末にするなんて馬鹿のすることだ!!」
ケイト
「ちょ、ストップ!それは言っちゃダメなやつ」
リドル寮長と私の間に、ケイト先輩が割って入る。
ケイト
「あとリドルくんも、こいつらまだ入学し立てほやほやの新入生だからね」
エース
「いーや言うね。さっきから聞いてりゃ、変なルールばっか並べやがって。ふざけんなよ」
デュース
「俺も、ユウとエースに賛成です。もちろん、ルールは守らなければいけないものだとは思いますが……さすがに突飛すぎる」
リドル
「ボクに口答えとは、いい度胸がおありだね。いいかい。小さなルール違反が、大きな問題に繋がるんだ」
マロンタルト1つが、どんな問題に繋がるっていうの!?
エース
「他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけど、こんなのおかしいと思ってるんだろ!?」
エースが、他のハーツラビュルの人達の方を見る。
ハーツラビュル寮生A
「いや、僕たちは……」
リドル
「へえ、そうなのかい?」
ハーツラビュル寮生A
「と、とんでもありません、寮長!」
ハーツラビュル寮生B
「すべては、寮長のご決断次第です!」
グリム
「そんなぁ〜!」
エース
「チッ……日和りやがって。ダッセー」
みんな、リドル寮長が怖いんだ……
その証拠に、みんな口では賛同してるのに、ほとんどの人が俯いていてリドル寮長と目を合わせようとすらしていない。