【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
ユウ
「わぁ、ケイト先輩もカッコイイです!」
ケイト
「ありがとう♪」
一瞬で着替えれちゃうなんて、魔法って便利だな〜。
ケイト
「パーティの日は正装って、ハートの女王の法律でも決まってるからね。今日はサービスで、お兄さんがコーディネートしてあげよう」
ケイト先輩は、今度は私達に向けてマジカルペンを振る。
キラキラとした光に包まれたかと思うと、私達も制服から寮服に服装が変わっていた。
デュース
「おお……!」
エース
「おーっ!めっちゃイケてる!」
グリム
「にゃっはー!かっけーんだゾ!」
グリムも、いつものリボンから寮服風にデザインされたリボンに変わってる。
ユウ
「みんな似合ってるよ!」
エースもデュースもイケメンだから、こういう服もちゃんと似合うな〜……かくいう私は、服に着られてる感が否めないんだけど……
私は、少し袖のあまる寮服を撫でながら、こっそりため息を吐いた。
あと10cm身長が欲しい。
ケイト
「マロンタルトの贈り物を忘れずに。んじゃ、パーティへれっつらごー!」
ケイト先輩の後に続いて、私達はパーティの会場に入った。
ケイト
「……お。ユウちゃんユウちゃん」
ユウ
「?」
ケイト先輩が指差す方に、私は目を向ける。
そこにはトレイ先輩が居て、小さくこちらに向かって手招きしてた。
ケイト
「トレイくんが呼んでるみたいだよ」
ユウ
「え?……僕を呼んでるんですか!?」
ケイト先輩じゃなく?
ケイト
「ほらほら、グリちゃんはオレが預かっとくから。早く行ってあげて?」
ユウ
「は、はい」
私は、ケイト先輩に言われるまま、一旦グリム達から離れ1人でトレイ先輩の元に向かった。
トレイ
「ユウ、悪いな。来てもらって」
ユウ
「いえ、そんな……こちらこそ、本日はお招き頂き、ありがとうございます」
トレイ先輩は、寮服姿に中折れ帽子を被って、手にはフィンガーレスグローブを付けてる……制服の時とは、だいぶ雰囲気が違って見えた。
トレイ
「お前とグリムを参加させることを、一応うちの寮長に伝えておこうと思ってな……」
ユウ
「!勿論です」