【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
デュース
「はあ、はあ……お、一昨日よりは上手くできたぞ」
ケイト
「よくできました♪」
ケイト先輩がスマホを取り出して、時間を確認する。
ケイト
「おっと!そろそろ時間だ。オレくんたち、お仕事終了!」
ケイトたち
「あいあいさ〜♪」
◇◆◇◆◇◆
トランペットとバスドラムの音が鳴り響く。
ハーツラビュル寮生
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
ハーツラビュル寮生たち
「リドル寮長、バンザーイ!」
一斉に叫ぶハーツラビュルの人達を見て、思わず私は「わぁ……!」と声を上げた。
ハーツラビュル寮からパーティ会場である薔薇園へ、リドル寮長が一歩一歩向かって行く。
それはまるで、王様の登壇のようだった。
リドル
「うん。庭の薔薇は赤く、テーブルクロスは白。完璧な『なんでもない日』だ」
リドル寮長の隣には、トレイ先輩が付いている。
リドル
「ちゃんとティーポットの中に、眠りネズミは入ってるんだろうね?」
トレイ
「もちろん。もしもの時の鼻に塗るジャムも万全です」
リドル
「よろしい」
グリム
「ふわっ!なんだあの服!かっけーんだゾ!」
リドル寮長とトレイ先輩の服装を見て、グリムが目を輝かせた。
リドル寮長もトレイ先輩も、他のハーツラビュルの人達も、今は制服ではなく違った格好をしてる。
白を基調としたジャケット、右袖は黒、左袖は黒と白のチェック柄で、ジャケットの襟はハートのような形、胸元には一輪の薔薇と寮章のブローチが付けられていた。
リドル寮長は、更にその上からマントを羽織っていて、頭には小さな王冠を被っていた。
背景のハーツラビュル寮と相まって、まるで絵本の中に飛び込んだかのような光景が広がってる。
ユウ
「かっこいい……」
私は、それをジッと見つめながら、自然と呟いていた。
ケイト
「ふふーん。かっこいいっしょ、ハーツラビュルの寮服!流行も押さえつつ、マジカメ映えもバッチリ☆」
寮服っていうんだ、あれ……ハーツラビュル寮の中での正装みたいなものなのかな。
ケイト
「というわけで、オレもお着替え」
ケイト先輩がマジカルペンを振り、一瞬のうちに制服から寮服に着替えて見せた。