【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
ケイトB
「もー、マジしんどい!遅いよぉ、エースちゃんたち」
エース
「うわっ!もっと来た!」
ユウ
「ケイト先輩が4人……」
なんというか……魔法って凄い←結局これしか言えない
ユウ
「……あの、とりあえず離してもらえますか」
ケイトD
「まーまー、そう言わずに。ユウちゃん、今日もちっちゃくてカワイーね♪」
ユウ
「ちっちゃいは余計です!」
私は、バンザイしながら蹲み込んで、ケイト先輩の腕から抜け出した。
ケイトD
「うわっ!?なにその動き!?」
ユウ
「護身術の一種です」
私を抱き締めてたケイト先輩が本物のケイト先輩なのかな……
ケイトB
「ちなみに、本物のケイトくんはオレでーす♪ 増えるのってめっちゃしんどいから、あんま長持ちしないんだけどね」
違った。えーっと……あ、2人目のケイト先輩か。
ケイト
「とにかく、遅れたら首をはねられちゃう。人手が足りないから、みんな手貸してよ。終わったら、リドルくんのとこに案内してあげるからさ」
グリム
「またバラを赤くする仕事か?」
ユウ
「わざわざオンボロ寮まで迎えに来たのは、この為だったんですね」
エース
「アンタ、ほんと調子いいヤツだな〜!」
ケイト
「さっ、それじゃ早速はじめましょー!」
エースの言葉は聞き流して、ケイト先輩達は私達の背中を押す。
私達は白薔薇の木の下に連れてかれて、当たり前のように赤いペンキと刷毛を手渡された。
ケイト
「さ、オレくんたちは持ち場に散って〜!」
ケイトA
「はーい」
ケイトC
「まかせて!」
ケイトD
「おっけー♪」
分身のケイト先輩達は、それぞれ別の準備に向かって行った。
ケイト
「1年生ちゃんたちは、オレと同じ場所の薔薇をヨロシクね♪」
ユウ
「わかりました」
折角パーティ参加させて貰うんだし、少しの手伝いくらいちゃんとやろう。
エース
「肉体労働は、もううんざりなんだけど……」
デュース
「文句を言っても始まらない。腹を括ろう」
ユウ
「グリム!どこ行くの?」
こっそり逃げようとしたグリムを、私は尻尾を掴んで引き戻した。