【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
ケイト
「みんな準備はいいね?じゃあ『なんでもない日』のパーティに向けて、れっつらごー!」
ユウ
「おー!」
ケイト先輩を先頭に、私達はオンボロ寮を出た。
いざ、『なんでもない日』おめでとうパーティへ!
◇◆◇◆◇◆
鏡舎から扉を潜って、一昨日も訪れたハーツラビュル寮に移動する。
何度見ても綺麗なところだな〜!
私はまた1人で感動してたけど、エースはさっさと歩き出す。
エース
「んじゃ、パパッと寮長にタルトを渡して、謝って……」
その時、向こうから誰かがやって来るのが見えた。
ケイトB
「おーい!やっと来た。待ってたよー、オレくん!」
ケイトA
「たっだいまー。お待たせ、オレくん」
「「「「!!??」」」」
それは、どこからどう見てもケイト先輩。
私は思わず後ろを振り返ったけど、オンボロ寮から一緒に来たケイト先輩は確かに私達の後ろに居る。
ユウ
「なっ、ど、どう……!?」
これどうなってんの!?
デュース
「ダ、ダイヤモンド先輩が2人!?」
エース
「双子だったんすか!?」
ケイトA
「いやいや、男きょうだいはオレだけ」
ケイト先輩が何やらポーズを決めながら話す。
ケイトA
「コレは、オレのユニーク魔法『舞い散る手札(スプリット・カード)』。魔法で自分の分身を作れるんだ」
ユウ
「自分の分身……魔法でそんなことまで……」
デュース
「一昨日、倒しても倒しても倒れなかったのは、こういうことだったのか……」
ユウ
「じゃあやっぱり、あの時僕の背後には確かにケイト先輩は居たんだ」
ケイトA/ケイトB
「そーいうこと♪」
2人のケイト先輩に同時に笑いかけられて、私は思わず一歩後ずさった。
ユウ
「ど、どっちが本物なんですか?」
私がそう質問した直後、
ギュー!
ユウ
「!?」
背後から誰かに抱きしめられた。
顔を後ろに向けると、そこに居たのは……
ケイトC
「おかえり〜」
ケイトD
「いらっしゃい、ユウちゃん♪」
ユウ
「けっ、ケイト先輩!?」
2人のケイト先輩とは別の服装をした、更に2人のケイト先輩だった。