【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
エース
「ユウ、おま……マジふざけんな……!」
手で脇腹を押さえながら、顔を真っ赤にしたエースが睨んでくる。
グリム
「体中がゾワゾワするんだゾ……!?」
グリムは、くすぐったくされるの初めてだったのかな?体を丸めながら私を見上げてきた。
ユウ
「起こしてくれてありがとう。でしょ?」
エース
「誰が言うかバーカ!!絶っ対に仕返ししてやるからな!!」
ユウ
「子どもか」
本当、エースって素直。
デュース
「お。エースとグリムも起きたんだな」
デュースが、お客さんを連れて戻って来た。
ケイト
「おっはよー!」
デュースに続いて談話室に入って来たのは、朝から陽気なケイト先輩。
ケイト
「お泊まり会は楽しかった?枕投げとかトランプとかして、青春しちゃった?」
ユウ
「おはようございます」
どうしてケイト先輩が、こんな早い時間からこんな所に?
エース
「ふぁ〜……しましたよ、トランプ。グリムが全然ルール知らないから、ババ抜きだけど」
グリム
「くそー!全然勝てなかったんだゾー!!」
昨夜の敗戦を思い出して、グリムが悔しそうな顔をした。
デュース
「お前はジョーカーを引いた時、顔に出過ぎだ」
ユウ
「今度はジジ抜きにしよっか」
グリム
「ジジ抜きって何なんだゾ?トランプって、他にも遊び方があるのか!?」
人の言葉が喋れるグリムでも、人の遊びはあまり知らないみたい。
ケイト
「それじゃあ早速、一昨日作ったタルトを持って、リドルくんに謝りに行こっか」
ユウ
「はい」
あ、冷蔵庫にマロンタルト取りに行かなきゃ。
ケイト
「っつか、昨日のトラブルで今人手が足りてないから、急いで来て欲しいんだよね」
エース
「ヒトデ?」
ケイト
「ううん、こっちの話」
なんか今聞こえた気がしたけど、とりあえず黙っておく。
私は、昨日のうちに購買部で買っておいた箱にマロンタルトを詰め、紙袋に下げてエースに手渡した。
ユウ
「落とさないように気をつけてね」
エース
「んなヘマするかってーの」