【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
【HEROINE side】
デュース
「──ユウ」
ユウ
「んん……?」
ゆさゆさと肩を揺さぶられ、私は目を覚ました。
真上から、デュースの顔が覗き込んでる。
デュース
「ユウ、起きろ」
ユウ
「……んぇ!?デュース!?」
何で私の部屋に!?
驚きのあまり、私は勢い良く上体を起こした。
ユウ
「……あ、あれ?」
よく周りを見てみれば、ここは私とグリムの部屋じゃなくて、談話室の床の上だった。
近くに、同じく床で眠るエースとグリムを見つけ、私は状況を理解する。
そっか……昨日の夜は4人で遊んでたから、部屋戻る前に寝落ちしちゃったんだ……
デュース
「今日は『なんでもない日』のパーティだぞ。遅刻したら首をはねられる!」
ユウ
「首をはねるなんて、夢の続きじゃあるまいし……」
デュース
「何の話だ?」
ユウ
「……ううん、何でもない」
不思議な夢を思い出しながら、私は立ち上がった。
うう、床で寝たから体がバッキバキ……
ドンドン
デュース
「ん?誰か来たみたいだな」
ユウ
「こんな朝早くに誰だろ……?」
「僕が出る」と言ってデュースが向かってくれた。
代わりに私は、エースとグリムを揺すって起こす。
ユウ
「エース〜、グリム〜、起きて〜」
エース
「んー……あと5分……」
グリム
「あと10分……」
そんなに待てるか!
ユウ
「起きなさーい!」
私は両手を上げて、それぞれ人差し指を立てる。
ユウ
「必・殺!脇腹ロケーーーット!!」
それを、エースとグリムの脇腹にぶっ刺した。
エース
「うブッッ!!??」
グリム
「ふな゙あぁあぁ!?!?」
2人して間抜けな声を上げながら、エースとグリムが飛び起きる。
ユウ
「あ、起きた?おはよー」
必殺脇腹ロケット……これをやられて起きない奴はいないのだ!
元の世界でも、なかなか起きない家族を起こす時によく使ったな〜……