【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
【in a DREAM】
……また、夢?
一昨日見た夢と、同じ薔薇園の中に、私は立っていた。
ハートの女王
「私のバラをよくも汚したね。さあ覚悟をおし!」
赤いペンキで塗られた白薔薇の木を手に、ふくよかな女性が怒りをあらわにしている。
彼女の足元では、あのエプロンドレスの少女が、刷毛を手に転んでいた。
これは、あの夢の続き……?
♣︎3のトランプ兵
「女王様、どうかお助けを。悪いのはあいつで─」
♣︎2のトランプ兵
「私のせいじゃない。エースのせいです!」
ハートの女王
「お前かね?」
女王様が、トランプ兵ににじり寄る。
♣︎Aのトランプ兵
「いえ、2です!」
ハートの女王
「2の仕業?」
♣︎2のトランプ兵
「違います!3です!」
ハートの女王
「もうおやめ!」
罪をなすりつけ合うトランプ兵たちに、女王様の怒りは頂点に達した。
ハートの女王
「3人の首をはねよ!」
3人のトランプ兵が、他のトランプ兵たちに連れてかれて行く。
「「「「ワ〜〜〜〜〜〜ッ!!!ヒューヒュー!!」」」」
ハートの女王
「─ふふん♪」
スッキリしたと言わんばかりに、女王様は満足そうに笑っていた。
♦︎2のトランプ兵
「色を間違えたんじゃ、首をはねられても仕方ない」
大勢いるトランプ兵は、連行される仲間を見送りながら、口々に「仕方ない」と言う。
♠︎3のトランプ兵
「赤と白を間違えるなんて、とんでもないことだ」
仕方ない?
ただ、薔薇の色を間違えただけなのに……
たったそれだけのことで、首をはねられる。
それは、本当に仕方ないことなの?
どうして、誰も女王を止めないの?
ユウ
「──馬鹿みたい」
夢の中で、私はそう呟いた。