【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
ユウ
「うん……じゃあ、トレイ先輩のお言葉に甘えて、参加させて貰おうかな」
リドル寮長に謝るのに一緒に行く、っていうエースとの約束もあるし……
私の言葉を聞いて、エースが大きく頷く。
エース
「よーし……明日は、絶対この首輪を取ってもらうからな!見てろよ、寮長!」
ユウ
「凄い気合」
別にリドル寮長と闘うわけじゃないのに……
気合いそのままに歩き出すエースの後を追って、私達はオンボロ寮への帰路についた。
◇◆◇◆◇◆
【NARRATION】
その日の夜
ハーツラビュル寮-談話室
ハーツラビュル寮生
「トレイ先輩、ケイト先輩!ああよかった、やっと帰ってきてくれた!」
トレイとケイトが寮へ戻ると、彼らの帰りを待っていたハーツラビュル寮生の1人が、2人の元に駆け寄った。
トレイ
「どうかしたのか?」
彼以外にも数名、トレイとケイトに不安の視線を向けている。
ハーツラビュル寮生
「ハートの女王の法律・第256条『夜8時過ぎに蜂蜜入りのレモネードを飲んではならない』に違反した寮生10人が、リドル寮長に纏めて首をはねられてしまって……」
ケイト/トレイ
「………………」
ハーツラビュル寮生
「僕、もう嫌です。こんな生活!」
訴える寮生の目には、涙が浮かんでいた。
ハーツラビュル寮生
「わけわかんないルールでがんじがらめ……別の寮に転寮したい………ううっ」
トレイは、そんな後輩の肩を軽く叩いてやる。
トレイ
「……もう、大丈夫だ。俺が寮長に話をしてくるよ。お前たちは部屋に戻ってろ」
寮生達は涙を拭いながら、各々自分の部屋へと戻って行った。
それを見送った後、ケイトは一つ溜息をつく。
ケイト
「……はぁ。じゃ、オレは女王様のご機嫌取りのために、お茶でも淹れてきますかね」
トレイ
「悪いな、ケイト。……そうだ、紅茶は避けてハーブティーにしてくれ。確か第153条で、夜のお茶について決められてたはず……」
ケイト
「…………あいよ、オッケー」
それ以上は何も言わず、ケイトはキッチンへ、トレイはリドルの部屋へと向かうのだった。