【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
私は、エースの前に立って、ムスッとしたその顔を覗き込んだ。
ユウ
「先輩達は、明日なら大丈夫って言ってたんでしょ?あと1日くらい我慢しよ?」
エース
「…………」
ユウ
「首輪外して貰った後で、言いたいこと言わせて貰えば良いじゃん」
エースは、私の言葉に「ぐぬ〜〜!」と唸る。
エース
「……わーったよ」
そして、頭をかきながら頷いた。
ユウ
「よし!」
エース
「うわっ、引っ張るな!」
手を引っ張ってエースを立ち上がらせ、私はデュースとグリムを振り返った。
ユウ
「じゃあ、エースとデュースは今日もオンボロ寮にお泊まりだね」
デュース
「ああ、世話になる」
デュースはそんなこと言う必要ないのに。
グリム
「仕方ないから泊めてやるんだゾ。感謝しろ」
エース
「エラそーに言いやがって、お前には頼んでねえっつーの」
グリム
「なんだと!?」
ユウ
「喧嘩しない!」
反省しないな、この2人は!
デュース
「……そうだ、ユウ」
ユウ
「ん?」
デュース
「クローバー先輩から伝言を預かってる」
『明日は「なんでもない日」のパーティだ。遅刻するなよ』
デュースからトレイ先輩の伝言を聞いて、私は目を見開く。
ユウ
「え、それって……僕とグリムも、『なんでもない日』おめでとうパーティに参加して良いってこと!?」
グリム
「オレ様達だって、バラを塗るの手伝ったし、マロンタルト作りも手伝ってやったんだ。パーティに参加してご馳走を食べる権利ぐらいあるんだゾ!」
ユウ
「良いのかなぁ……僕ら、ハーツラビュル寮生じゃないし、図々しくない?」
他の人達になんて思われるか……
エース
「副寮長のトレイ先輩が良いっつってんだから、良いんじゃねーの?」
デュース
「ああ。グリムとエースの言う通り、ユウにも参加する権利はあると思う」
ユウ
「そうかなぁ……」
少し不安だけど、参加させて貰えるのは正直言って嬉しい。
実は、どんなパーティなのか気になってたんだよね!