【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
とりあえず私は、3人の元に向かった。
ユウ
「グリム、エース、デュース!」
3人仲良くベンチに腰掛けてる絵面がなんか可愛い。
でも、エースだけは何でか不機嫌そうな顔してる。
デュース
「ユウ、用は済んだのか?」
ユウ
「うん!」
グリム
「遅いんだゾ!!一体何の話してやがったんだ?」
ユウ
「グリムという名の火吹きモンスターの生態について」
グリム
「ふなっ!?オレ様の生態!?」
ユウ
「まぁ、冗談は置いておいて」
グリムにバシッと腕を叩かれた。
ユウ
「3人は、どうしてここに?先に寮に戻ってるんじゃなかったの?」
デュース
「実は……」
デュースはベンチから立ち上がると、私に歩み寄り少し前屈みになって、私の耳元に口を寄せてきた。
なんか内緒話?
デュース
「実はエースの奴が、今日ローズハート寮長に詫びタルトを渡しに行くと言い出してな」
ユウ
「今日?……え、今から?」
デュース
「ああ。それで、お前が戻るのを待ってたんだが……」
ユウ
「まぁ、急だけど……良いじゃん。行こうよ」
デュースは、何故か首を横に振る。
ユウ
「?」
デュース
「ついさっき、クローバー先輩とダイヤモンド先輩が通りがかって、『寮長は今日は忙しいから、出来ればタルトを渡すのは明日にして欲しい』と言われたんだ」
ユウ
「なるほど……」
私は、ベンチの上に踏ん反り返ってるエースを見た。
ユウ
「だからエースは不機嫌なんだね」
グリム
「コイツ、ずっとイライラしてて面倒くせぇんだゾ」
謝ろうと思って行動したのを2日連続で拒否されたら、怒りたくもなるよね……
ユウ
「エース、寮長が忙しいのはしょーがないじゃん。今日は諦めて帰ろうよ」
エース
「しょーがなくねー!!向こうがタルト持って来いっつったんだろ!なのに、何でオレが向こうの都合に合わせなきゃならねぇんだよ!!」
元々の原因はエースでしょって言いたいけど、言ったらもっと不機嫌になること確実だから、それは言わないでおく。