【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
フェイン
「あーー……この反応は予想外だったなぁ」
フェイン先生の困ったような声が聞こえてくる。
先生を困らせてどうすると自分に言いたいけど、この惨めな気持ちはどうにもならなかった。
コツコツと靴を鳴らして、フェイン先生は私に近づいてくる。
ふわりと、優しく頭を撫でられた。
私が顔を上げると、フェイン先生は申し訳なさそうな顔をしてた。
フェイン
「いやぁ、ごめんね?女同士の方が、君も話しやすいかな〜っと……安易に考えて、余計なことしなきゃ良かったね」
ユウ
「?」
余計なこと……?
パチン
フェイン先生が、何故かいきなり指パッチンをする。
すると次の瞬間、美女の全体がぐにゃりと歪んだ。
ユウ
「ヒッ!何これ!?」
先生の体が粘土みたいに!!?
ぐにゃぐにゃと変形しながら、数秒かけて歪みが整っていく。
数秒前まで美女だったその人は、ひょろっとした男性に姿を変えていた。
ユウ
「え!?へ、変身した!?」
コワッ!
フェイン
「えーっと、混乱させてごめんね?これが、本来の俺の姿です」
髪の色は青紫、目はパッチリとした金色、肌は不気味なくらい真っ白……クルーウェル先生より若そうな、白衣を纏った男の人。
フェイン
「改めまして、養護教諭のファニック・フェインです。よろしくね、かわい子ちゃん」
ユウ
「あ……ユウ・クラシロです……よろしくお願いします……」
どういうこと?この男の人が本当の姿で、さっきの美女は偽物?
学園長がゴーストに変身した時みたいな、変身薬ってのを使ったのかな……
フェイン
「ほら、涙を拭いて。あっちで座って話そう。あ、コーヒー淹れてあげるね」
ユウ
「は、はぁ……どうも……」
フェイン先生に手を引かれて立ち上がり、私はテーブルに誘われた。
コーヒーを2杯持って、フェイン先生が向かいに座る。
フェイン
「ミルクと砂糖は?」
ユウ
「いただきます……」