【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
まぁ、最初に魔法使うところ以外は私が頑張るって約束しちゃったし……
ユウ
「僕、こう見えて掃除好きだから、あまり苦じゃないよ」
デュース
「そうか……凄いな、ユウは」
デュースに褒められた。
それも素敵な微笑み……目の保養だよホント。
ユウ
「じゃあそろそろ寝よっか。おやすみ……」
ジリリリリリリン!
私が自分の部屋に入ろうとした瞬間、階下からけたたましい高音が鳴り響いた。
「「「「!?」」」」
ジリリリリリリン!
グリム
「なっ、何なんだゾ!?この音!!」
グリムが毛を逆立てて警戒する。
ユウ
「電話だ……」
今朝もめっちゃビビったやつだ。
エース
「嘘だろ……この寮の電話って、こんな古クセー音で鳴んの?」
デュース
「にしても、随分とデカい音だな……」
ユウ
「多分、学園長からだと思う。僕でてくるね」
私は、早足で階段へと向かう。
ユウ
「3人は先に寝てて、おやすみ!」
エース
「おう、おやすみ」
デュース
「何か困ったことがあったら、遠慮なく言うんだぞ」
グリム
「ふなっ!?オレ様、ひとりで部屋に居るのか……!?」
3人を背に、私は階下に駆け下りた。
ジリリリリリリン!
談話室から玄関までの廊下に備え付けられてる電話のところに向かい、受話器を取る。
ユウ
「もっ、もしもし……どちら様で……」
クロウリー
《こんばんは。優しい私が可愛い生徒のためにお電話をかけてあげましたよ》
やっぱり貴方か。
ユウ
「こんばんは、学園長」
優しい私が〜とか、確か今朝も同じようなこと言ってたっけ。
クロウリー
《学園生活は楽しまれてますか?声を聞く限り、随分と疲れているようですが》
ユウ
「色々ありまして……まぁでも、思ってたよりは、やっていけそうです」
クロウリー
《それは何より。折角この私が生徒にしてあげたんですから、存分に楽しんで頂かなくては》