【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
エース
「オレは、チェリーパイとハンバーガー」
グリム
「オレ様は、ツナ缶なんだぞ。あとは、チーズオムレツと、焼いた肉と、プリンと〜」
デュース
「強いて言えば、オムライスですかね」
ケイト
「オレは、ラム肉のグリル・ディアボロソースかけ」
トレイ
「ユウは?」
ユウ
「僕は、に……」
「肉じゃが」と答えかけて、私は口を噤んだ。
和食の名前言っても通じない気がする……
ユウ
「えっと……シチューが好きです」
和食が恋しいな〜と思いながら、私はトレイ先輩に答えた。
シチューも好きだから嘘はついてない。
でも、何で急に好きな食べ物を聞かれたんだろ?
トレイ
「それじゃあ、いくぞ。……『薔薇を塗ろう(ドゥードゥル・スート)』!」
トレイ先輩が、何かを唱えた。
淡い光が起こって、私達が食べてるマロンタルトにふりかかる。
デュース
「……?これは?」
トレイ
「では、マロンタルトをもう一口どうぞ」
言われるまま、私達はマロンタルトを口に運ぶ。
エース
「ん?んんん?」
ユウ
「あれ……!?」
マロンタルトを食べたのに、味が違う……
エース
「これは……マロンタルトなのにチェリーパイの味がする!」
グリム
「ツナ缶の味だ!」
私の口の中には、確かにシチューの味が広がっている。
グリム
「はぐはぐっ!おわっ、今度はチーズオムレツ!鶏肉のグリルに、はぐはぐっ!プリンの味なんだゾ!」
ケイト
「面白いでしょ!?コレ、女の子とお茶する時に鉄板でウケると思わない?」
ユウ
「こ、これも魔法なんですか?」
うわぁ、食べれば食べるほど混乱する!
デュース
「スゴいですね!味を変える魔法が、クローバー先輩のユニーク魔法なんですか?」
トレイ
「正確には、『要素を上書きする魔法』だな。味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる」
要素を上書き……って、物を作り替えるようなものだよね?それって、かなり凄い魔法なのでは……