【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
エース
「ケイト先輩、やっぱ完成見計らって食いにきただけじゃん!」
ケイト
「まあまあ♪味見係ってことで」
ユウ
「エース、そんなイライラしなくても……折角作ったんだから、ケイト先輩にも食べてもらおうよ」
タルト作りも、元々はケイト先輩のアドバイスだったし。
ケイト
「ユウちゃん、やさしー♪てか、エプロン似合うね!本当に女の子みたい」
ユウ
「女の子みたいなんて言われても嬉しくないです〜!」
ケイト先輩が、ただそう思ってるだけなのか、疑いにかかってきてるのか、いまいち分からない。
毎度心臓に悪いなぁ……
グリム
「ふわぁぁ…甘くていい匂いなんだゾ〜」
とりあえず今はマロンタルトで疲れを癒そうと、私も席に座りフォークを手に取った。
グリム
「上に乗った栗がツヤツヤで、下のクリームがフワフワだ!いっただっきまーす!」
ユウ
「いただきます」
さっそくマロンタルトを口に運ぶ。
エース
「ンッ、やばっ」
ケイト
「んまーい!」
デュース
「スゴい、店に売ってるやつみたいだ」
ユウ
「美味し〜〜!」
この世界に来て初めて食べた甘味に、自然と頬が緩む。
久しぶりに食べる甘いもの、それも絶品のマロンタルト!幸せ〜♡
グリム
「甘すぎず、それでいて濃厚なお味!お口の中が栗畑なんだゾ〜!」
トレイ
「それ、褒めてるのか?」
ユウ
「むちゃむちゃおいひいれす」
トレイ
「ユウは飲み込んでから喋ろうな」
ほっぺが落ちそうになってる私を見て、トレイ先輩はからかうように笑う。
あー、美味しさのあまり思いっ切り頬張っちゃった恥ずかしー……
でも、この美味しさには勝てません。
ケイト
「そだ。ねーねー、トレイくん、アレやってよ」
トレイ
「アレ?……ああ、アレか」
ユウ
「?」
エース
「アレって?」
何だろ?
トレイ
「お前達、好きな食べ物はなんだ?」