第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編

私達の元へ、クロウリーさんがやってくる。


クロウリー
「どうにかしてください！貴方の使い魔でしょう！？」


ユウ
「違います！！」


クロウリー
「しっかり躾を…………え？貴方のじゃない？」


ユウ
「ここに来る前から、何度も言ってるじゃないですか！」


クロウリー
「……そ、そうでしたっけ？」


本当に聞いてなかったな、この人！


クロウリー
「ごほん！では、学園外に放り出しておきましょう。鍋にはしません。私、優しいので」


え、この人猫食べるの？


クロウリー
「誰かお願いします」


グリム
「ぎにゃー！離すんだゾ！」


グリムは再びクロウリーさんの鞭で縛られ、そのまま他の人が連れて行ってしまう。


グリム
「オレ様は……絶対、絶対！大魔法士になってやるんだゾー……！」


グリムがそう叫んだ直後、出入口の扉が閉められる重い音が響いた。


ユウ
「………」


なんか、ちょっと可哀想なことになっちゃったな……


クロウリー
「少々予定外のトラブルはありましたが、入学式はこれにて閉会です。各寮長は新入生を連れて寮へ戻ってください」


あの上級生達は寮長だったんだ……まぁ、私には関係ない話だけど……


入学式も終わりっぽいし、これで帰れるよね？


ユウ
「ほっ……」


クロウリー
「……ん？そういえば、ディアソムニア寮、寮長のドラコニアくんの姿が見えないようですが……」


獅子の耳を持つ男
「アイツが居ないのは、いつものことだろ？」


ターバンの男
「あれ？もしかして誰も、式のこと伝えてないのか？」


美しい男
「そんなに言うなら、アンタが伝えてやればよかったじゃない」


ターバンの男
「うーん。でもオレ、アイツのことあんま知らないんだよなー」


ユウ
「？」


なんか知らないけど……寮長の一人が仲間外れにされてるっぽい？


私には関係ない話だけど……いじめみたいで、なんだかな〜……