【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
トレイ
「それじゃ、一気に仕上げよう」
ユウ
「はい」
作業台の上にタルト生地の器と、マロンクリームの入ったボウルを並べる。
トレイ
「あとは、皆で作ったマロンクリームをタルトに乗せれば完成だ」
グリム
「ついにマロンタルトが食えるんだな!?テンション上がってきた〜!」
エース
「よっしゃ、パパっと済ませちゃおうぜ!」
トレイ
「もうひと踏ん張り、集中力切らすなよ」
エース/グリム
「おーっ!」
グリムとデュースとトレイ先輩は魔法を使って、私とエースはヘラを使って。
私達は、タルトにたっぷりとマロンクリームを乗せていった。
甘い匂いが鼻を通って、お腹が空いてくる。
グリム
「にゃっはー!どんなもんだ!」
トレイ
「上手いもんだな。この調子で進めてくれ」
グリム
「へへーん、未来の大魔法士グリム様の手にかかれば、朝飯前なんだゾ!」
ボウルを持ったまま、グリムが胸を張る。
エース
「そうやって、すーぐ調子乗る」
デュース
「卵は……ヒヨコにならない……?」
エース
「デュースはさっきからなんなんだよ!?」
ユウ
「まぁまぁ、ほら続きやらないと」
次のタルトを寄せて、私はマジカルペンの代わりにヘラを振るった。
最後のひと掬いをタルトに乗せて、エースが得意げに笑う。
エース
「よっしゃ、完璧!」
グリム
「ふなぁ〜〜〜〜!美味そうなんだゾ〜〜♪」
トレイ
「ここまでよく頑張ったな。あとは、マロンタルトのてっぺんにマロングラッセを置いてくれ」
ユウ
「はい」
グリム
「ハイハイハイ!」
バッ
ユウ
「あっ」
私の手からマロングラッセを奪って、グリムが作業台の上に飛び乗った。
グリム
「オレ様がやるっ!!」
ユウ
「もう……まぁ良いけど」
エース
「最後の最後にミスんなよ?」
グリム
「任せろ!……それっ!」
グリムは魔法を使って、マロンタルトの上にマロングラッセを綺麗に飾り付けた。
グリム
「さすがオレ様♪最高のマロンタルトだゾ〜!」
何はともあれ……これで、マロンタルト完成!