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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第6章 【真紅の暴君】中編


やっぱ怒るかなー……優等生としては許せないって、言われるかも……


デュース
「意外とやるじゃねぇか」


ユウ
「へっ?」


予想外にも褒められた。


それもまたワルそうな顔で。


デュース
「よし買いに行こう。卵とツナ缶とゴム手袋だな」


グリム
「おー!なんだゾ!」


ユウ
「う、うん……ついでに新しい袋も貰おうね」


私は、割れた卵でぐちゃぐちゃになった袋を持ち直す。


デュースは、その卵の残骸を見つめながら、


デュース
「お前達の無念は晴らしたぞ」


と言った。


ユウ
「……ん?」


デュース
「これで、ヒヨコも安らかに成仏してくれるよな」


ユウ
「んん?」


ヒヨコ?成仏?……まさか……


ユウ
「デュース」


デュース
「?」


私は、デュースの肩に手を置いて、その純粋な青い瞳を見つめながら告げる。


ユウ
「あの卵は無精卵だから、元々ヒヨコは孵らないよ」


デュース
「え、えええ!!!???嘘だろ!?!?!?」


メインストリートに、デュースの叫びが響き渡った。


◇◆◇◆◇◆


大食堂


卵を買い直した後、今度は何事もなく戻ることが出来た。


エースが、出迎えに来てくれる。


エース
「おっ、帰ってきた帰ってきた。随分遅かったじゃん」


ユウ
「だから、メスは単体でも卵を産めるんだよ」


デュース
「その卵はどうなるんだ?」


ユウ
「新しい命は生まれない。生み出すにはメスだけじゃダメなの。メスはオスと交わることで初めて、新しい命を生むことが出来るんだよ」


デュース
「なるほど、そうだったのか……」


エース
「お前ら何の話してんだよ!!!!」


エースに怒鳴られた。


ユウ
「何って、生命の神秘について」


エース
「やかましい!!」


ユウ
「?」


何故か怒ってるエースの顔は真っ赤だった。


厨房に入って、トレイ先輩に買ってきた物を手渡す。


トレイ
「お帰り。随分遅かったな」


ユウ
「途中で卵割っちゃいまして、一度買い直しに戻ったんです」


トレイ
「はは、そうか。それはご苦労様」


また、トレイ先輩に頭を撫でられた。


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