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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第6章 【真紅の暴君】中編


デュース
「母さんは何も悪くねぇ。悪いのは全部俺だ!」


ユウ
「デュース……」


デュース
「だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時、すげー喜んでくれた母さんを、今度こそ泣かせないって決めた。俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたんだ」


デュースは、悔しげに目を伏せる。


デュース
「…………なのに、ちくしょう!」


グリム
「でもよぉー。全部我慢するのが、優等生なのか?」


デュース
「……え?」


いつの間にか、グリムは近くまで戻って来てたみたい。


グリム
「オレ様だってさっきの不良どもには、あと10発くらいパンチしてやりたかったんだゾ!その前に、オマエがやっつけちゃったけど」


ユウ
「うん……そうだよね」


デュース
「お前達……」


ユウ
「いや、喧嘩は良くないんだよ?良くないんだけど……デュースがあいつら殴ってくれて、正直スカッとした」


私は、デュースを見上げて、ニッと笑った。


ユウ
「優等生だって怒ることはあるよ。少なくとも僕は、今のデュースを不良だと思わない」


デュース
「そっか……へへ」


照れたように、デュースは小さく笑った。


ユウ
「……よし、気を取り直して卵買い直しに行こっか」


デュース
「そうだな」


グリム
「ええー……オレ様面倒だから、ここで待ってる」


グリムは、来た道をまた戻るのは億劫らしい。


ユウ
「そんなこと言わずに……ほら、“これ”でツナ缶も買ってあげるから」


私は、ポケットから財布を2つ取り出して、グリムに見せびらかした。


グリム
「ふなっ!?オマエそれ……」


私の財布ではないと気づき、グリムが目を丸くする。


ユウ
「さっきの先輩達が落としてったの」


デュース
「そんな物落ちてたか?……ユウ。お前まさか……」


ユウ
「だから落ちてたんだって。別に、どさくさに紛れてスッたわけじゃないよ。全然ないよ」


デュースが、信じられないとでも言うような目で私を見てくる。


ユウ
「いっ、いーじゃん少しくらい!卵とツナ缶とゴム手袋買ったら、ちゃんと落とし物として届けるもん」


デュース
「いや……お前、」


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