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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第6章 【真紅の暴君】中編


何発も何発も、デュースの鋭い拳が炸裂する。


不良A
「こ、こいつ、なんてマッドな野郎だ!6発どころじゃねーじゃねーか!嘘つきっ!」


不良B
「ヤベエ!逃げろ!」


ガラの悪い先輩達は、「鶏さんごめんなさーい!!」と泣き叫びながら逃げ去って行った。


デュース
「今度卵食う時は100回謝ってから食え!ダァホが!!」


ユウ
「ど、どうどう!」


もう遅い気がするけど、私はデュースの前に立って止めた。


グリム
「ひぇぇ〜〜!」


グリムは、少し離れたところで縮こまってる。


デュース
「ハァ、ハァ……ウッ!!」


グリム
「どうしたんだゾ!?」


ユウ
「どこか痛む!?まさか怪我!?」


デュースは、ガラの悪い先輩達が逃げて行った方を呆然と見て、力が抜けたように肩を落とした。


デュース
「や、やっちまった……今度こそ、絶対、絶対、優等生になろうと思ってたのに……!」


グリム
「ええ?」


ユウ
「ど、どういうこと……?」


いまいち話が見えない……


デュース
「俺は、ミドルスクールの頃、とにかく荒れてて……しょっちゅう学校サボって毎日ケンカに明け暮れてた」


ユウ
「え……」


毎日喧嘩?……この真面目なデュースが!?


デュース
「先生の名前は呼び捨て、ワルい先輩とツルんでたし、髪の毛もメチャクチャ脱色してた。マジカルホイールで峠も攻めてたし……」


マジカルホイールって何だろ……バイクみたいなものかな?


デュース
「魔法を使えないヤツに魔法でマウントを取ったりする、どうしようもない不良(ワル)だったんだ」


デュースは私の目を見つめながら、辛そうな目をしてそう言った。


ユウ
「!」


魔法を使えないヤツに魔法でマウント……


グリム
「今時なかなか見ないくらいテンプレなワルなんだゾ!」


ユウ
「想像つかない」


エースならともかく(失礼)


デュース
「でも、ある夜……俺に隠れて泣きながら、婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。自分の育て方が悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないか、って……そんなわけねぇのに」


だからデュースはさっき、「全然そんなことはない」って言ったんだ……


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