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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第6章 【真紅の暴君】中編


◇◆◇◆◇◆


エース
「だーっ!やっと裏ごし全部終わった!」


デュース
「腕が痛い……」


こし器とヘラを置いて、エースとデュースが肩を回して腕をほぐす。


ユウ
「う〜〜〜!」


私も、ぐーっと伸びをした。


裏ごしは地味に腕力使うから、こんな大量にやるとさすがに疲れる……


トレイ
「はは。お疲れ。苦労した分、きっと美味いぞ」


グリム
「もう匂いだけでお腹いっぱいなんだゾ〜」


グリムも、もう出来立てマロンタルトを食べたいって欲より、疲れたって気持ちのが勝ってる様子。


トレイ
「このマロンペーストにバターと砂糖を加える」


ユウ
「はい」


私は、マロンペーストの入ったボウルに溶かしたバターと砂糖を入れて、ヘラで混ぜた。


ユウ
「次は、生クリームですね」


トレイ
「いいや、その前に」


ユウ
「?」


トレイ先輩が、何かを取り出して、私達に見せる。


トレイ
「隠し味のオイスターソースを適量加える」


「「「オイスターソース!?」」」


トレイ先輩の手には、真っ黒なオイスターソースが入った瓶が握られていた。


ユウ
「マロンタルトにオイスターソースを入れるんですか!?」


トレイ
「そうそう。カキからたっぷり出た旨味が、クリームに深いコクを与える」


嘘だ!!絶対嘘だ!!


トレイ
「この『セイウチ印のヤングオイスターソース』。有名パティシエなら、タルトにこれを使わない奴はいないぞ」


デュース
「マジか……かなりしょっぱいソースだよな」


エース
「でも確かに、カレーにチョコ入れたりするし……アリなのかも」


ユウ
「いやいやいやいや絶対ないから!合わないから!」


トレイ
「ほらユウ、こっちにボウル寄越せ」


トレイ先輩が、オイスターソース片手に笑顔で近付いてくる。


ユウ
「だっ、ダメですダメです!!」


私は、ボウルを持ったままトレイ先輩から逃げた。


ユウ
「オイスターソースなんて合うわけありません!お願いですから考え直してください!!」


ボウルを抱え込んで必死に訴える私を見て、トレイ先輩は「プッ」と吹き出した。


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