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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第6章 【真紅の暴君】中編


デュース
「僕だって、綺麗に剥いてるぞ!ほら、見てみろ!」


ユウ
「う、うん。デュースのも綺麗だね」


グリム
「オレ様だって!おい、エースの栗と比べてみろっ」


ユウ
「おー、グリムも上手!」


エース
「いーや!オレには負けてるね」


デュース
「僕が剥いた実の方が綺麗だろ!」


グリム
「オレ様なんだゾ!」


ユウ
「うるさい!邪魔!」


目の前に何個も栗持ってこられて、さすがにイラッときた。


こいつら何で私に見せにくるの!?


トレイ先輩に褒めて貰えばいいじゃん!


トレイ
「はは…まだ剥かなきゃならない栗が大量に残ってるっていうのに、元気だな、お前ら」


トレイ先輩が、ポンと私の頭に手を置いた。


見上げると、目を細めて笑うトレイ先輩と目が合う。


トレイ
「ユウは、こいつらに随分と懐かれてるな」


ユウ
「からかわないで下さい」


答えると、クククッと喉を鳴らすように笑われた。


優しいトレイ先輩でも、こんな顔するんだ……嫌な気はしないけど、ちょっと意地悪な感じ。


トレイ
「それにしても、お前栗の皮剥くの早いな」


ユウ
「何度かやったことあるので」


いがぐりを靴で踏んで、いがを剥いた時にはめっちゃ驚かれた。


この世界じゃ、魔法を使える人は何でもかんでも魔法で済ませるのが当たり前になってるみたい。


デュース
「これが最後の1個……っと!」


デュースがマジカルペンを振り、最後の栗の皮を剥き取った。


デュース
「よし、終わった!」


トレイ
「お疲れ様。魔法が使えない奴もいるのに、この早さは大したもんだ」


作業台の上で、グリムが「へへーん」と胸を逸らしながら言う。


グリム
「どうだぁ!オレ様にかかれば、こんなもんだゾ!」


ユウ
「うん。上手だったよ」


グリムも、どんどん新しい魔法を覚えるね。


トレイ
「よし、それじゃあ次は裏ごしだな」


エース
「ええーっ!?まだやることあんの!?」


叫ぶエースの横で、デュースとグリムもガックリと肩を落としていた。


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