【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
エース
「あっちにカゴとトングがあったぜ」
ユウ
「良かった。これで栗拾いに行けるね」
グリム
「ハッ、そうだ。栗拾い!いっぱい拾わないと、タルトの食いブチが減るんだった」
エース
「ユウ……」
ユウ
「?」
上からエースに顔を覗き込まれる。
同じ見下ろされるのでも、エースにされるのとレオナさんにされるのとは大分違うなぁ……
エース
「なんか顔色悪くね?」
ユウ
「え、そう?」
レオナさんめっちゃ怖かったからかな。
デュース
「確かに、少し青いな……大丈夫か?」
ユウ
「大丈夫大丈夫……少し心臓に悪い目に遭っただけだから」
デュース
「心臓……!?本当に大丈夫か!?」
ユウ
「本当に大丈夫だから!早く栗拾い行こうよ」
あんまりゆっくりしてると日が暮れちゃう。
グリム
「コワイ管理人さんの話は、栗を拾いながらするんだゾ」
◇◆◇◆◇◆
栗拾いをしながら、グリムは植物園での出来事をエースとデュースに話した。
グリム
「────ってことがあったんだゾ」
エース
「いや、絶対そいつ管理人じゃないっしょ」
グリム
「落ち着いて思い出してみれば、黄色いベストを着てたから、アイツ鯖の寮のヤツなのだ」
デュース
「鯖……サバナクロー寮のことか」
そういえば……ブレザーは着てなかったけど、制服のベストとスラックス姿だったような……
それなのに、彼を一目見て生徒と思えなかったのは、もっと歳上に見えたからかな……ダブってるらしいし。
ユウ
「登校初日から結構散々な目に遭ってるよね、僕ら……」
デュース
「もしかしてナイトレイブンカレッジって、不良が多いのでは……?」
闇の鏡に選ばれさえすれば、たとえ素行が不良でも入学出来るってことか。
とりあえず明日からは、人にぶつからないように気を付けていこう!
ひたすら栗を拾っていき、やがてそれぞれの籠がいっぱいになる。
エース
「うし、かなりたくさん拾えたし、こんなもんっしょ。トレイ先輩のとこ持って行こーぜ!」
ユウ
「うん」