【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
???
「もー。やっぱりココにいた。レオナさん、今日は補習の日ッスよ」
私の横を抜けて、一人の男子生徒がレオナさんの前に立つ。
レオナ
「はぁ……うるせぇのが来た」
???
「レオナさん、ただでさえダブってんスから。これ以上留年したら、来年はオレと同級生ッスよ?」
男子生徒の言葉から、レオナさんもナイトレイブンカレッジの生徒なんだと知る。
レオナ
「あー、うるせえな。キャンキャン言うんじゃねぇよ、ラギー」
???→ラギー
「オレだって言いたかないッス!もー、やればできるのに何でやらないんスかぁ。ほら、行くッスよ!」
レオナ
「チッ……」
ラギーというらしい男子生徒に急かされて、レオナさんは面倒臭そうに舌打ちする。
レオナ
「今度俺の縄張りに入る時は気をつけろよ。草食動物ども」
最後に私とグリムを睨みつけて、レオナさんはラギーさんと一緒にこの場を後にした。
グリム
「──ぷはぁ〜!!緊張したんだゾ!」
ユウ
「怖かったあぁあぁ」
一気に力が抜けて、私はその場にペタンと座り込む。
グリム
「なんなんだ、あの凄みのある管理人さんは!?」
ユウ
「管理人さんではない気が……」
もう、本当に殴られると思った……歯を置いてけなんて脅されるし!怖すぎ!
ユウ
「食堂で絡んで来た先輩達は、まだ可愛い方だったね」
グリム
「まったくだゾ」
ユウ
「はぁ……栗拾いする前から疲れた」
やれやれ……と思いながら、私は地面から立ち上がる。
その時、人2人分の足音が聞こえてきた。
ユウ
「まさか、さっきの人達が戻って来た!?」
グリム
「ふなっ!?かっ、隠れるんだゾ!!」
あ、違った。
エース
「ユウ〜。グリム〜」
グリムがさっさと私の後ろに隠れると、まもなく足音の主……エースとデュースがやってきた。
デュースは、私の後ろのグリムを見て、首を傾げる。
デュース
「……グリムは、どうかしたのか?」
グリム
「なんだ、オマエらか……脅かすんじゃねーゾ」
グリム、私を身代わりにする気満々だったよね!?