第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編

逃げるグリムを、2人の上級生が追いかけていく。


アズール
「はっ！」


グリム
「ぎゃーーー！！」


眼鏡をかけた上級生も、グリムへ光を撃ってみせた。


リドル
「アズール、遊びが過ぎるんじゃないのかい」


アズール
「ふふ、リドルさんこそ、モンスターをいたぶって楽しんでいるのでは？」


リドル
「ボクはキミとは違う。くだらないことを言っていないで、行くよ」


グリム
「あわわわわわ…！」


上級生の服に着火した火は消したし、私もグリムを捕まえに行こう！


火を起こすより捕まらないことを優先し始めたグリムを見て、私はそこに向かって走り出した。


グリム
「ふなっ！？行き止まり！？」


アズール
「泳がされていたことにも気付かなかったんですか？哀れな小動物ですねぇ」


リドル
「観念するんだね。さもなくば…」


グリム
「嫌だ！オレ様は、この学校に入るんだ！」


2人に追い詰められたグリムが、毛を逆立てて威嚇する。


リドル
「アズール、下がれ！」


グリム
「ふな〜〜〜〜〜〜〜っ！！！」


また炎撒き散らす気！？


ユウ
「やめっ！なさーーーーい！！」


ガシッ！


グリム
「ふなっ！？」


私は、グリムにバレないように近付いていき、両手でグリムの体をしっかりと捕らえた。


ユウ
「よし！」


グリム
「離せーーーー！！」


ユウ
「そんな強く暴れないで……って、わっ！？」


グリムがあんまり強く踠くから、思わずバランスを崩してしまい私はその場で転んでしまった。


でもグリムは放してない……セーフセーフ！


グリム
「離さないとオマエを丸焼きにしてやるんだゾ！」


リドル
「そこの新入生、そのまま猫を押さえていろ」


赤い髪の上級生が、冷たい目をして私達の前に立った。