【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
ユウ
「ユニーク魔法?って何ですか?」
何度か聞いた単語だけど、一体どういう魔法なのかな?
デュース
「ユニーク……ということは、寮長独自の魔法ということですか?」
トレイ
「厳密に世界で1人かはさておき……一般的に、その人しか使えない個性的な魔法のことを『ユニーク魔法』と呼ぶ。そのうち授業でちゃんと習うと思うぞ」
ユウ
「じゃあ、あの首輪の魔法は、リドル寮長以外の人には使えないんだ……」
だからunique(独特/特異/唯一無二)か……
ユウ
「うーん、そっか……残念」
デュース
「何が残念なんだ?」
デュースに聞かれて、私はグリムを指差しながら答えた。
ユウ
「いつかエースかデュースが同じ魔法使えるようになったら、グリムを押さえるの手伝ってもらう時に便利そうって思ってたから」
グリム
「オマエ、オレ様をなんだと思ってんだゾ!」
ユウ
「マジで首輪が必要かなと思ってる」
グリム
「にゃにおう!?」
よく考えたら、それもそうか……魔法を封じる魔法を誰も彼もが使えたら、魔法士の意味がなくなるもんね……魔法士養成機関の立場もなくなるし。
ケイト
「リドルくんのユニーク魔法は、『他人の魔法を一定時間封じることができる魔法』その名も……」
『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)』
グリム
「ヒェッ!名前がもう怖ぇ〜のだ!」
ユウ
「リドル寮長が『首をはねてしまうよ』って言ってたのは、そういうことだったんですね」
ケイト
「魔法士にとっては、魔法を封じられるのって首を失うのと同じくらいイタいからね〜」
首をはねる=魔法を封じる、ってことらしい。
ケイト
「ってわけで、寮内では、リドルくんのルールには逆らわない方がいいよ」
トレイ
「逆に、ルールにさえ従っていれば、リドル寮長も怖くないってことだ」
ユウ
「なるほど……」
でも……なんかそれ、従順かどうかしか見られてない感じがして、嫌だな……
エース
「そういやオレ、タルト買って帰らないと、またケイト先輩に追い出されるわけ?」
ケイト
「そうだね〜。ハートの女王の法律・第53条でそう決まってるからさ」
『盗んだ物は返さなければならない』