【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
リドル
「まったく、シュガーポッドに角砂糖を切らすなんて重罪だよ……」
私は、イライラした様子で食堂を後にするリドル寮長の背中を、見えなくなるまでジッと見送った。
ケイト
「ひえ〜。焦った〜」
グリム
「超カンジが悪いんだゾ、アイツ!」
デュース
「コラ!失礼だぞ!」
ユウ
「グリム〜……ちゃんと寮長って呼ばないとダメだよ」
そう言って座り直した後、私はエースを睨んだ。
エース
「……何だよ」
ユウ
「エースの馬鹿!何でまず謝らなかったの!!」
エース
「うっ」
首輪外してってお願いする前に、まず『タルト食べてごめんなさい』でしょ!?
ハーツラビュル寮生A
「寮長、行ったか?」
ユウ
「?」
近くの席から、他の生徒の話し声が聞こえてくる。
ハーツラビュルの寮生が2人……出入口の方を見ながら、隠れるように身を縮こまらせていた。
ハーツラビュル寮生B
「俺、ハートの女王の法律・第186条『火曜日にハンバーグを食べるべからず』に違反してハンバーグ食べてたから、見つかったらどうしようかと思った」
ハーツラビュル寮生A
「はぁ……食うものくらい自由にさせて欲しいよな〜……」
ケイト/トレイ
「………………」
食事の内容まで法律になってるなんて……エースも言ってた通り、おかしなルールが多いな!
トレイ
「……寮長は、入学して1週間と経たずに寮長の座についた。少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思ってのことで、根は悪い奴じゃないんだ」
私は、トレイ先輩に頷いた。
ユウ
「それは……わかる気がします」
確かに厳しい人だけど、悪い人には見えなかった……厳しい人だけど(2回目)
グリム
「根が良いヤツは、いきなり他人に首輪つけたりしないんだゾ!」
ケイト/トレイ
「ははは……」
ユウ
「あれは、入学式で暴れたグリムが悪い」
グリム
「ぐ、ぐぬぬ……」
リドル寮長に肝に銘じるって言っちゃったし、私も一層ちゃんとグリムを見張っておかないと!
またエース達に脅されるのも嫌だし!
グリム
「でもあの首輪、いきなり魔法が使えなくなるし、苦しいしで最悪だったんだゾ!」