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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第5章 【真紅の暴君】前編


私は席から立って、リリア先輩に軽く頭を下げた。


ユウ
「ユウ・クラシロです。よろしくお願いします」


私が右手を差し出すと、リリア先輩は握手に応えてくれる。


リリア
「クフフ。ユウ、お主は素直な子じゃな」


ユウ
「?」


ふと視線を感じて、私はリリア先輩の後方に目を向けた。


ディアソムニア寮の人達のうち2人が、私を見てる……というか、睨んでる。


デュース
「あっちのメンツは、全然気軽に話しかけて欲しいってカンジじゃないな……」


私、馴れ馴れしかったかな……


リリア先輩との握手が終わっても、私は睨まれたままだった。


リリア
「クフフ。食事中、上から失礼したな。ではまた、いずれ」


そう言って、リリア先輩はディアソムニア寮の人達の方に戻って行った。


エース
「あの人いきなり来たけどさ……あっちの席とオレたちの席、軽く20メートル以上離れてんのに、オレらの話が聞こえてたってたこと?コワッ!」


トレイ
「ま、まあ……そんなわけで、ディアソムニア寮は少し特殊な奴が多いイメージだな」


ようやく睨まれる視線から解放されて、私はほっと息をつきながら席に座り直した。


トレイ
「魔法全般に長けた優秀な生徒が多い。寮長のマレウス・ドラコニアは、世界でも五本の指に入る魔法士と言われてるくらいだ」


ユウ
「五本の指!?」


寮長とはいえ、まだ学生なのに!?凄っ!!


ケイト
「マレウスくんは正直、ヤバヤバのヤバだよね。つか、それを言うならウチの寮長も激ヤバなんだけど〜」


エース
「ほんっとにな!タルトを1切れ食ったくらいで、こんな首輪つけやがって。心の狭さが激ヤバだよ」


その時、エースの後ろに、一人の生徒が立った。


リドル
「──ふうん?ボクって激ヤバなの?」


ユウ
「!!」


この人は……!!


エース
「そーだよ。厳格を通り越してただの横暴だろ、こんなん」


デュース
「エース!後ろ!」


デュースに言われて、エースがその人を振り向く。


エース
「でぇっ!寮長!?」


その人……ハーツラビュル寮のリドル・ローズハート寮長は、冷たい目でエースを睨みつけた。


それを見て、私は唾を飲み込む。


こ、これはマズい展開になった……


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