【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
グリム
「なあなあ、他の寮はどんな寮なんだ?」
トレイ
「さっきケイトも言ってたけど、この学園にはグレート・セブンに倣った寮が7つある。まず、俺たちが所属してる、ハートの女王の厳格な精神に基づく『ハーツラビュル』寮。あとは……
百獣の王の不屈の精神に基づく『サバナクロー』寮。
海の魔女の慈悲の精神に基づく『オクタヴィネル』寮。
砂漠の大賢者の熟慮の精神に基づく『スカラビア』寮。
美しき女王の奮励の精神に基づく『ポムフィオーレ』寮。
死者の国の王の勤勉な精神に基づく『イグニハイド』寮。
そして、茨の魔女の高尚な精神に基づく『ディアソムニア』寮」
ユウ
「…………」
覚えられるかなぁ……寮名だけでなく、グレート・セブンとその精神と組み合わせられると、もうチンプンカンプン!
グリム
「みんな名前がなげぇ!そんな一気に覚えられねぇんだゾ〜!」
ケイト
「あはは!ざっくりでおけおけ。そのうち嫌でも覚えるし」
なるべく早めに覚えなきゃ……寮についても、グレート・セブンについても。
トレイ
「どの寮に入るかは、入学式のとき魂の資質で闇の鏡が決めるとされてるけど……なんとなく、寮ごとにキャラが固まってる感じはあるな」
ケイト
「それはあるねー。めっちゃわかる」
デュース
「キャラ……ですか?」
トレイ
「例えば……」
トレイ先輩は周囲を見回して、一点に目を留める。
トレイ
「ホラ、あいつ」
トレイ先輩が示す先に目を向けると、そこには銀髪の体格の良い生徒が座っていた。
背の大きい人だな〜……ん?……あれ?
ユウ
「犬の耳が生えてる!?」
その人の頭には、犬のような耳が銀髪に紛れるように生えていた。
お尻の辺りには、フサフサの尻尾まである。
トレイ
「あのゴツさは、見るからにサバナクロー寮って感じだな」
ケイト
「それな〜!」
待って、今はそれよりあの耳と尻尾の方が気になる!!
ケイト
「運動とか格闘が得意なタイプが多い寮なんだよね。肉体派っていうか、イカツイお兄系っていうか?黄色と黒の腕章つけてるのはサバナクロー寮」
グリム
「ほー」
み、みんな気にしてないっぽい……この世界じゃ、動物の耳と尻尾が生えてる人も普通に居るってことなのかな。