【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
ケイト
「最新機種安くしてくれるお店、紹介したげるよ〜。今度、スマホ選びデートとかどお?」
ユウ
「え、えーっと……」
トレイ
「ケイト。新入生が引いてるから、ほどほどにな」
答えに困ってたら、トレイ先輩が助け舟をだしてくれた。
ケイト
「あはは、ごめんごめん!」
私は、ほっと息を吐く。
トレイ先輩本当に良い人。
ケイト
「で、寮の話だっけ?いいねえ〜、会話がフレッシュ!何でもお兄さんたちが教えてあげよう」
エース
「つか、他よりまず、うちの寮について教えて欲しいんすけど。あの『ハートの女王の法律』とかいう変なルールは、一体なんなの?」
それ私も気になってた。
トレイ
「伝説のハートの女王については、お前達もよく知ってるだろう?規律を重んじ、厳格なルールを作ることによって、変な奴らばかりの不思議の国を治めていた」
ケイト
「そんなハートの女王をリスペクトして、我がハーツラビュル寮生は、ハートの女王のドレスの色である赤と黒の腕章をつけて、ハートの女王の作った法律に従うのが伝統ってわけ」
グリム
「肩が凝りそうな寮なんだゾ〜!」
ユウ
「登校初日に逃走しちゃうグリムには、絶対に耐えられないね」
私が言うと、グリムは「ぐぬぬ」と唸った。
ケイト
「どれくらい厳しく伝統を守るかは寮長の気分次第で、前の寮長はかなりゆるゆるだったんだけどね〜」
トレイ
「リドル寮長は、歴代寮長の中でも飛び抜けて真面目でね。だから最大限その伝統を守ろうとしてるというわけだ」
ユウ
「なるほど……」
だから、そのルールを破ったエースに魔法封じなんて大きな罰を与えたんだ。
厳し過ぎるのはどうかと思うけど……真面目なのは、良いことだよね。
エース
「げぇ〜〜。めんどくさ……」
グリム
「なあなあ、他の寮はどんな寮なんだ?」