【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
トレイ
「君は、オンボロ……ゴホン、使われてなかった寮の監督生に着任した、新入生のユウだろう?」
ユウ
「はい。ユウ・クラシロです。よろしくお願いします」
気を遣ってオンボロという言葉を避けてくれるなんて……トレイ先輩は良い人に違いない!
私の右にケイト先輩が、グリムを挟んだ左にトレイ先輩が腰を下ろす。
トレイ
「ケイトに聞いてる。昨日は、うちの寮の奴らが、迷惑かけて悪かったな」
ユウ
「いえ、僕も2人には助けてもらいましたし……」
ケイト
「ユウちゃん、謙虚だね。素直でカワイー!」
エース
「って、ちゃっかり隣に座ってるし……」
おおおお、よくよく考えたら私、今イケメンに囲まれてる!
ヤバい、なんかドキドキしてきた。
ケイト
「まーまー。せっかく同じ寮に入ったんだから仲良くしよーよ。とりまアドレス交換で〜!あ、ユウちゃんもアドレス教えて教えて!」
ユウ
「お、おぉう………!?」
変に緊張してたせいか、かなり間抜けな声を出してしまった。
ケイト
「あっれ〜?ユウちゃん、固まっちゃってる?」
ケイト先輩が私の顔を覗き込んで、ニコッと笑う。
ケイト
「オッケー、ダイジョブ、リラ〜ックス!あ、もしかしてマジカメとかメッセならいっぱい喋れる系?今度アカ教えてよ♪」
ケイト先輩、めっちゃグイグイくるな!
本当、チャラ男のコミュ力って凄い。
ユウ
「えっと……すみません、僕、スマホ持ってなくて」
ケイト
「えっ、持ってないの!?マジヤバ!天然記念物並みにレアじゃん」
ユウ
「前は持ってたんですが、この学校に来る時に失くしてしまって……」
ケイト
「うわ、マジ?それって超ヘコむヤツじゃん。災難だったね〜」
まぁ、持っててもこの世界じゃ使えたか分かんないけど。