【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
グリム
「はぐはぐ!うま〜い!オムレツの卵がふわふわで、中からチーズがとろ〜り!」
グリムって食レポする癖あるよね。
ユウ
「いただきます」
私も自分の分を食べ始めた。
グリム
「はぐはぐ!ところで、オマエたちの寮は今朝見たけど、他の寮ってどんなのなんだゾ?」
ケイト
「学園のメインストリートにグレート・セブンの石像が立ってたじゃん?あの7人に倣ってこの学園には7つの寮があるんだよ」
ユウ
「!」
突然後ろから話しかけられて、私はバッと振り返った。
エース
「げっ!アンタは今朝の!」
グリム
「オレ様たちを騙してバラに色を塗らせたヤツなんだゾ!」
私の後ろにはケイト先輩が立っていて、その隣には眼鏡をかけた緑髪の上級生もいる。
ケイト
「騙したなんて人聞き悪いなあ。オレも、やりたくてやってるわけじゃないんだよ?寮の決まりだから仕方なくやってるだけで」
デュース
「めちゃくちゃ笑顔でしたけど……」
デュースの言葉に私はコクコクと頷いて同意した。
ケイト
「まあまあ、デュースちゃんにユウちゃん。寮の外なら例のルールに従わなくていいし、今のけーくんは後輩に優しい先輩だから」
デュース
「ち、ちゃん付けはやめてください、先輩!」
???
「はは。それはケイトの愛情表現だからな」
緑髪の先輩が、デュースの反応を見て笑う。
エース
「つか、隣のアンタは誰?」
???→トレイ
「おっと、悪い。俺はトレイ。トレイ・クローバー。ケイトと同じくハーツラビュルの3年だ」
短い緑髪、黒縁の眼鏡、左目の下にクローバーのマーク……ちょっと斜に構えた感じの、でも優しそうな雰囲気を持った人だった。
ユウ
「初めまして……」
私が立ち上がろうとすると、トレイ先輩はそれを止めるように私の肩にポンと手を置く。
トレイ
「いいよ、そのままで」