【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
不良A
「お、思ったよりやるじゃねぇか……」
不良B
「パスタが伸びちゃうから、今日のところは見逃してやるっ!」
捨て台詞を吐いて、ガラの悪い先輩達はこの場から逃げて行った。
グリム
「へん!!口ほどにもねーヤツらなんだゾ!おとといきやがれってんだ!」
デュースは魔法使わなかったけど、グリムは何度か火を吹いてた……お陰で先輩達を追い払えたわけだけど。
ユウ
「揉め事ご法度って言われたばっかりなのに……」
先が思いやられるな……と思いながら、私はエースとデュースを見つめる。
エース
「とにかく、オレらもランチにしよ。朝ご飯も食べ損ねたし、オレもう倒れる寸前……」
デュース
「はあ……ひどい目に遭った。優秀な魔法士を輩出する名門校に、あんなテンプレ不良がいるとは……」
グリムが逃げた時、2人は交換条件つきつけて意地悪言ってきたのに……
今は、何も言わずに助けてくれた。
なんか……
デュース
「……ユウ?」
エース
「おい、ボーっとしてどうした?」
ユウ
「……なんか、2人がカッコイイなって思って」
エース
「はあ!?何だよいきなり、気持ちワリィ!」
デュース
「き、急にどうしたんだ……?」
エースは顔を顰めて、デュースも心底驚いたような顔をする。
いきなりなのは認めるけど、そんな変なこと言ったかな?……いや、変か!
ユウ
「……僕、クロワッサンとカフェラテ買ってくるね」
ちょっと気恥ずかしくなって、私はグリムのプレートを預けて2人から離れた。
カッコイイとか、男が男に真面目に言うようなことじゃないよね……今の私は男で通してるんだから、気を付けないと!
◇◆◇◆◇◆
約束のチョコクロワッサンとアイスカフェラテを2人に渡して、私は3人と一緒に席についた。
グリム
「では、気を取り直して!いただきまーす!」
私の隣で、グリムは早速プレートの料理にがっつく。