【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
ユウ
「?」
クロウリー
「なんですって?」
闇の鏡
「この者からは、魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。よって、どの寮にもふさわしくない!」
そりゃあね!
ユウ
「やっぱり間違いだったんだ……」
私は安心して一つ息を吐いた。
鏡から振り返ると、他の新入生らしき人達は騒ついてて……上級生らしき人達は皆、驚いたような顔で私を見てた。
それにさっきから思ってたけど、この学校って見るからに……
クロウリー
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない!生徒選定の手違いなど、この100年ただの一度もなかったはず。一体なぜ……」
クロウリーさんも慌ててるや……だから何度も違うって言ったのに。
グリム
「もごもご…ぷはっ!」
その時、クロウリーさんの手からグリムが抜け出した。
グリム
「だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
クロウリー
「あっ、待ちなさい!この狸!」
グリム
「そこのニンゲンと違って、オレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!」
クロウリーさんの手を躱して、グリムは私を脅した時みたいにニヤリと笑う。
ユウ
「まさか……!?」
グリム
「魔法なら、とびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
赤髪の男
「みんな伏せて!」
赤髪の人が叫んだ直後、
グリム
「ん゙な゙〜〜〜!!」
グリムが周囲に青い炎を巻き起こした。
何やってんのー!?
ターバンの男
「うわあ!!あちちちっ!尻に火が!」
ユウ
「やめてグリム!」
って……私の言うことなんか聞くはずないよね!
クロウリー
「このままでは学園が火の海です!誰か、あの狸を捕まえてください!」
私は上着を脱いで、服に着火してしまった上級生のところに駆け寄った。