【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
トレイン
「君達には、この世界に繁栄をもたらしてきた、魔法についての歴史を学んでもらう」
ルチウス
「オ゙ァ〜〜〜〜」
トレイン先生に抱えられたまま、ルチウスは眠たそうに鳴いた。
トレイン
「私は、レポートだけでなく授業態度でも評価を行うぞ。居眠りは許さない」
ルチウスは使い魔らしいけど、グリムみたいに喋ったりしない……モンスターではなく、普通の猫なのかもしれない。
トレイン
「では、まずテキスト15ページを開いて。ドワーフ鉱山で宝石の採掘中に発見された、魔法石についてだが……」
ルチウス
「オ゙ァ〜〜〜〜」
トレイン
「この世紀の発見により、魔法エネルギーは広く世界に知られることとなり、この年は魔法元年と呼ばれ……」
ルチウス
「オ゙ァ〜〜〜〜 ファッ」
魔法史は、魔法が使えない私にとって、力を入れて学ぶべき科目だと思った。
魔法どころか、この世界についても何も知らないんだから、1からちゃんと学ばなくちゃ!
エース
「ふぁ〜……」
まだ2限目なのに、エースはあくびを漏らした。
トレイン先生に見つかってないといいけど……
デュース
「おぁ〜〜、ドワーフ鉱山で……おぁ〜〜、魔法エネルギーが……」
ユウ
「素直か」
デュースよ、ルチウスの鳴き声は無視していいと思うよ。
グリム
「ゔ〜〜。もっとバーン!って魔法使える授業がいいんだゾ〜」
ユウ
「こら、大人しくしなさい」
グリムはどうやら、座学がお気に召さないらしい。
散々ナイトレイブンカレッジで勉強したがってたクセに……
◇◆◇◆◇◆
3限目は運動着に着替えて、運動場で体力育成の授業。
私はトイレの個室で着替えた……これから先もそうするなら、不自然だから今から言い訳を考えておかなきゃ。
バルガス
「オレは、バルガス。お前らモヤシ共の体力育成を担当してやることになった」
担当のアシュトン・バルガス先生は、顎髭を蓄えた体格の良い男性だった。
見るからに筋肉ムッキムキで、首がめっちゃ太い!