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…long  鋼の錬金術師 FA

第1章 2人の錬金術師



すると教主が壁にあったレバーを下に降ろす。
物音。
その後には猛獣を連想させるような息遣い、鳴き声、足音

「この賢者の石というのはまったくたいした代物でな。こういう物も作れるのだよ。合成獣(キメラ)を見るのは初めてかね?ん?」

エドとアルの後ろにはライオンと爬虫類を合成させたようなキメラが牙を向け、威嚇をしている。

「こりゃあ丸腰でじゃれあうにはちとキツそうだな  と」

そう言ったエドはパン!と手を合わせたかと思うと地面へその手を伏せる。
すると、勢いよく火花が散る。
そう、アルが錬成陣を使い、ラジオを直した時と同じように。
あっという間に、エドの手には1本の槍が錬成される。

「うぬ!錬成陣も無しに敷石から武器を錬成するとは…国家錬金術師の名は伊達ではないという事か!!だが甘い!!」

キメラの鋭い爪が勢いよくエドに襲いかかる。
キメラの爪により、槍は折れ、左足のズボンは引き裂かれ、片膝をつくエド。
その様子を見た教主は高笑う。…が。

「…なんちって!」

攻撃をしたはずのキメラの爪は付け根の方から折れてしまった。
そしてすぐさまエドの足蹴りがキメラを襲う。

「あいにくと特別製でね」
「……っ!?どうした!!爪が立たぬなら噛み殺せ!!」

鳴き声を上げ、エドの右腕に噛みつくキメラ。
しかし……

「ゴウウウウ…!?ガフッ…ウウウ」
「どうしたネコ野郎。しっかり味わえよ」

その言葉とは裏腹に思いっきりキメラの顎の下から蹴りを入れる。
仰け反り、そのまま地に落ちていくキメラ。
同時に露わになるエドの右腕。

「ロゼ。よく見ておけ。これが人体錬成を…神様とやらの領域を侵した咎人の姿だ!!」
「……鋼の義肢“機械鎧(オートメイル)”…ああそうか……鋼の錬金術師!!」
「降りて来いよ、ド三流。格の違いってやつを見せてやる!!」
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