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…long  鋼の錬金術師 FA

第1章 2人の錬金術師


「こんにちは、おじさん。あら、今日はなんだかにぎやかね」
「お、いらっしゃい、ロゼ。今日も教会に?」
「ええ。お供えものを」

ロゼと呼ばれた少女は、去り際に「レト神のご加護がありますように!」とにっこり笑い行ってしまった。

「ロゼもすっかり明るくなったなぁ。一人者の上に去年恋人まで事故で亡くしちまってさ…」
「そこを救ったのが創造主たる太陽神レトの代理人コーネロ教主の教えだ!」
「生きる者には無滅の魂を、死せる者には復活を与えてくださる。その証拠が「奇跡の業」さ。お兄さんも一回見に行くといいよ!ありゃまさに神の力だね!」
「「死せる者に復活を」ねぇ…うさん臭ェな」

未だ流れる宗教放送を聞き流しながらエドは呟いた。




「教主様!奇跡の業を!教主様!!」

人々の歓声の中、宙に舞っている小さな花を手に取った教主様はあっという間に大きなヒマワリに変えてしまった。
その光景に、人々の歓声は一際高まる。

「…どう思う?」
「どうもこうもあの変成反応は錬金術でしょ」

「だよなぁ…」とエドは呟く。
エドとアルがうだうだ悶絶しているところに「お二人とも来てらしたのですね」と歩み寄ってくる。ロゼだ。
しかし、ロゼを傍らに法則だの自然摂理だの等価交換だの訳の分からない専門語句は並べ散らす。

「兄さん、ひょっとして…」
「ああ。ひょっとすると…ビンゴだぜ!」

エルリック兄弟は教主様の手元も見つめ何かを確信する。
不思議に思っているロゼにエドが振り向き、

「おねぇさん、ボクこの宗教に興味持っちゃったなぁ!ぜひ教主様とお話ししたいんだけど案内してくれるぅ?」

いかにもワザとらしいはずなのだが「まあ、やっと信じてくれたのですね!」と言って目を輝かせている。
ロゼに案内される定か、住民の群れにひっそり佇む黒いコート。
顔は良く見えないものの、視線は恐らく自分たちと同じものを見つめているのではないか。
そう思ったものの、エドはロゼの案内について行く。
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