第73章 *海上フライト*
ルーク『待たせたね。おや、エペルくんたちも到着していたか。かなりのスピードを出して進んだつもりだったが、素晴らしいガッツだ!』
用意を終えたルークが扉を開けて入ってくると、3人で身を寄せ合う姿に嬉しそうに微笑んだ
ユウ『1ついいですか?』
ルーク『ん?なんだい』
ユウ『お願いですから、この子を1人残して出て行かないでください』
『ユウ、それはもう..』
ユウ『レイラは良くても僕がだめ。君の悲しい顔がどれだけ僕にとって辛いことか分かってるでしょ』
『むぅ..』
ルーク『..すまなかった。守ると誓っておきながら早速離れてしまうなんて。分かった、これからは安易にレイラくんから離れないよ』
エペル『(VDCが終わってからのルークサン、すげぇ空回りしてる気が..)』
『ユウ、狩人さんを責めないで。責めるくらいなら私に構って』
隣で睨みをきかせるユウを何とか止めようと、ユウの服の袖をクイクイと引っ張り上目遣いで懇願すると、途端にユウの頬が赤く染まり、ふにゃっとだらしない顔を見せてはレイラを優しく抱きしめた
エペル『この装置から行けるんですね』
ルーク『そうさ。もういつでも移動可能だよ。時間も時間だからすぐに移動しよう。とりあえず進めるだけ進んでおきたい』
エペル『ここが黎明の国だから、次は陽光の国まで行くん、ですよね?』
ルーク『ああ。更にそこから英雄の国まで行く。着いたらひとまず仮眠をとって、再び箒での旅だ。さあ、行こう』
転送装置を起動させ、装置から放たれた光の輪が4人を囲うように上からゆっくり降りてくる
そして一際強い光が辺りを包み込み、あまりの眩さに目をきつく閉じる
ルーク『もう大丈夫だよ。目を開けてごらん』
言われるままに瞼を開けると、景色がガラリと変わったわけではないが、よく見渡すと物の配置やどことなく部屋の広さが変わっているように感じ、次の別荘へ移動したのだと実感がわく
エペル『すげぇ..』
『ほんとに移動した』
ユウ『え〜っと..てことはここが陽光の国?』
ルーク『そうだよ。さあ、もう一度移動するけど、少し時間をくれないか。英雄の国までへの地点登録をしないといけないからね』