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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第73章 *海上フライト*






空を見上げると、こちらへと降下を始めているエペルたちの姿が小さく見える


ルーク『さすがはエペルくんだ。さて、私達は先に中へ入って転送装置の準備を始めようか。こちらへおいで』


ポケットから鍵を取り出すと、ドアの鍵穴へと差し込み解錠する。カチャンと小気味良い音が鳴り、ドアノブを捻って引くと暗闇でもわかる程の広い室内が眼前に広がる


ルーク『そちらへかけて待っていてくれ。少しでも体を休めるんだ』


『狩人さんは?』


ルーク『私は平気だよ』


そう言って奥にある転送装置のある部屋へと歩いていった。一人残されたレイラは襲い来る孤独感に耐えるように、ソファーの上で膝を抱えて顔を埋めた







エペル『はぁ、はぁ..や、やっと追いついた..』


ユウ『お疲れ様』


しばらくして地面に降り立ったユウたちは疲れた体を引きずりながら、ルークたちが入っていった別荘の玄関のドアに手をかけた


エペル『で、でけぇ..』


ユウ『うわ、中も広いね。あっ、レイラ!』


『ユウ..林檎くん』


外観や中の広さに圧倒されながら中に入ると、電気もつけずにソファーの上でうずくまっているレイラを発見し、自分たちを呼ぶ声が泣きそうになっていることに気づき、急いで側に駆け寄った


ユウ『大丈夫?一人で怖かったね。ルーク先輩は?』


『あっちに行っちゃった。多分、転送、装置だっけ?あれの準備』


ユウ『もう..ルーク先輩ってば、こういう時でも一人にしないでほしいな。ごめんレイラ、寂しい思いをさせて』


エペル『僕からもごめん。もっと早く追いつければよかったのに』


『ううん、二人は悪くないよ。狩人さんだって、少しでも早く移動できるようにしたかっただけだから。ね、二人共隣座って。寂しいの、怖かったの、だから..側にいて』


悲しげに揺れる深紅の瞳に胸を締め付けられるような痛みが走る。二人は顔を見合わせると、言われたとおりそれぞれレイラを挟むように座り、ユウはその体を抱きしめ、エペルは小さな手を自分の手で優しく包み込んだ


『あったかい..ありがと、二人とも』


ユウ『よしよし、良い子良い子』


エペル『(手、ちっせぇ..)大丈夫、僕らがいるから安心して』


『ん..』








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