第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
アズール『大体のシステムは掴めてきました。しかし..夢の中を自由に創造できるなら、環境破壊や民衆からの反発などを制御することも可能なのでは?』
オルト『現実のサンドボックスゲームでも、敵が登場しなかったり、無限に資源やアイテムを手に入れられるモードは存在するけど..レオナさんが選択したモードは、よりリアルな環境シミュレーションなのかもしれない』
ユウ『てっきり楽な方法を選ぶかと思ったのに、意外と現実主義なんだ..あの人』
シルバー『フロイドの夢とは違い、何でも上手くいくようにはなっていない...ということか?』
オルト『いや、急速な都市開発には大きなリスクが伴うことを彼は明確に理解していて..それがリアリティとして自サーバーに反映されている状態なんじゃないかな』
ジャック『オルトの言ってることの意味は分かる。でも、余計訳が分からなくなってきたぜ。リスクを予見できていたなら、なんでレオナ先輩は無茶な計画を実行に移しちまったんだ?』
オルト『それは...』
『いつも我慢してることを、我慢しなくていいからじゃない?』
『『『『え?』』』』
ポツリと呟かれた声に全員の視線が集まると、イデアの説明中ずっと窓の外を見ていたレイラが顔だけ振り向いた
グリム『どういうことなんだゾ?』
『えと..ダメって分かってるんだけど、夜に食べるお菓子とか、美味しいよね』
ラギー『それって、背徳感込みで食べる夜中のピザ的な?』
『そう』
『『『分かる..!!』』』
オルト『兄さんも、僕に怒られるって分かっていながら、真夜中にインスタントラーメン食べてる!』
イデア『あわわわ...』
ジャック『冷蔵庫で寝かせて味を染み込ませてる最中の、洋ナシのコンポートのつまみ食い。どうしてもやめられねぇんだよな..』
グリム『夜中にキッチンに忍び込んで食べるツナ缶って、なんでか分かんねぇけど昼間に食べるよりうめぇんだゾ...ふなっ!?』
ユウ『おうおう、前から気づいてはいたけど、わざわざ白状してくれてどうもありがとう。夜中に食べるなってあれほど言ったよねぇ??』
首根っこを掴み上げ鬼の形相で睨みつけると、グリムは"ひんっ!"と涙目で尻尾を足の間に丸め、ぷるぷると震えだした