第72章 *猛追ハンター*
エペル『そういえば、ルークサンは..嘆きの島の場所は知らないけど、ヴィルサンたちがどこにいるか"視える"って言ってましたよね。あれって、どういうことですか?』
ルーク『それはね..』
『ユニーク魔法..』
ユウ『レイラ?』
小声で呟かれた言葉に全員の視線が一気に集まる。だがレイラはそれに驚くこともなくただルークの瞳をじっと見つめていた
ルーク『..やはり君は素晴らしい、兎の君。君の言うとおり、私がそう言えるのは私のユニーク魔法の効果によるものなんだ』
エペル『ルークサンの、ユニーク魔法!?』
ルーク『私のユニーク魔法は相手を傷つけることも、操ることもできない。とても弱い魔法だ。でも..狩人である私には、なくてはならない魔法なのさ』
エペル『どんな魔法なんですか?』
ルーク『私のユニーク魔法は、魔法をかけた相手の居場所を突き止めることができるんだ。それが例え7つの輝く丘の彼方、7つの滝の向こう..世界の果てであろうともね』
エペル『おろ〜..ルークサンが使えるど思うど、おっかねぇ魔法だな..』
ルーク『ヴィルたちが攫われた時、咄嗟にカローンの一人に私の魔法をかけておいたのさ』
エペル『すげ、なんも気づかねがった』
ルーク『ふふ。それでは..僭越ながらお披露目といこう』
そう言うと、ルークの周りの魔力が一気に膨れ上がり、手をかざすと先程まで何もなかった空間に魔法で作られた弓が現れた
同時にもう片方の手をかざすと今度は矢が現れ、それをつがえて大きく引き、星の煌めく夜空へと狙いを定める
ルーク『ほら、私から逃げ切ってみせて。"果まで届く弓矢(アイ・シー・ユー)"』
パシュンッ!!と放たれた矢は勢いよく空の彼方へと放物線を描いて夜の闇へと消えていった
それを見届けたあと、ルークは懐から一枚の地図を取り出した。そこには賢者の島周辺の世界地図が記されており、その地図上にポツポツと光の点が足跡のように現れ始める
だが、その光は3つほど少し進んだところで現れなくなってしまった。それを見たルークは"やはりか"と呟く
エペル『どうしたんですか?』
ルーク『この世界にいればどこにいても分かる..と言ったけれど、この魔法も万能ではない』