第72章 *猛追ハンター*
二人の笑顔が焚火の炎の光と合わさりキラキラ輝いた。和やかな雰囲気で過ぎる時間に、突然低い唸り声のような音が四人の周りに響く
グルルル...
その瞬間、ルークはいち早くマジカルペンを手に取り背後の森の方へと身構える
ルーク『!!しっ!みんな静かに。獣の唸り声だ..近いぞ』
エペル『あ..すいません。今の僕のお腹の音..です』
恥ずかしそうに片手を上げて空腹を申告すると、一瞬キョトンとした後、ルークはいつものにこやかな笑みを浮かべる
ルーク『オーララ!森の主の縄張りに踏み込んで、怒りを買ってしまったのかと驚いたよ!』
『ん、んふふ..』
エペル『わ、笑わないでよ//!!普段ならもうとっくに夕食を食べてる時間だから..』
ルーク『ふふ。今の音をヴィルが聞いたら、美しい眉をしかめるだろうね』
エペル『目に浮かびます』
ルーク『それじゃあ、出発前にまずは腹ごしらえといこう』
そう言って荷物を開け中をゴソゴソと漁り、食事の準備に取り掛かる
『んふふ..ふふ..』
エペル『い、いつまで笑ってるの//!!』
『だって..んふふ..ぁ...』
ぐぅ〜..
未だに笑っているレイラに顔を赤くしていると、先程よりも少し小さめな腹の虫の鳴く音が聞こえた
『ぁ..ぅ..///』
ユウ『ふ..あははっ!!可愛い音』
エペル『はははっ!!レイラちゃんだって人のこと言えないじゃん』
『ぅぅ〜..//』
ルーク『おや、どうやら獣は2匹いたようだね。しかもどちらも空腹ときた。これは、こちらが食べられる前に急いで食事を用意しないとね』
ルークの用意した携帯食料で腹を満たし、3人は満足そうに身を寄せ合った
エペル『はあ..お腹いっぱい!ごちそうさまでした』
ルーク『念の為に携帯食料とキャンプセットを持ってきておいて良かったよ』
エペル『僕達は着の身着のままで飛び出しちゃったから..食べ物のことまで頭が回らなかった』
ルーク『大丈夫さ。目的までのルートにいくつか街もある。必要になったら、食料はそこで買い足せばいい』