第72章 *猛追ハンター*
ユウ『えええっ!?』
『行くの?』
エペル『うん。やっぱり俺、誰かが何とかしてくれるのを眠って待ってるだけなんて..嫌だ!』
真剣な眼差しに、ユウの脳裏に以前ミッキーと交わした言葉、攫われたグリム、ベッドに横たわるエースとデュースの光景が過る
ユウ『(僕も..でも、自分が行っても何もできないのに)』
『(また怪我したら、みんなを苦しめる..)』
暗い面持ちで佇む二人に、エペルの表情も少し影さす
エペル『分かってる。俺たちだけ行ったって、足手まといになるだけかもしれない。でも、お前たちだって相棒とダチがやられたのに黙ってらんないだろ。
やられっぱなしでいるなんて、ナイトレイブンカレッジ生じゃねえ!!』
ユウ『エペルくん..』
『ん、そだね』
エペル『行こう、ユウ!レイラ!』
ユウ『分かった、行こう!..レイラ、本当は危険な目にあわせたくないし、出来れば安全なポムフィオーレ寮にいて帰りを待っててほしい。でも、レイラも行くんだよね?』
『ん。またみんなに心配かけたり、先生に怒られちゃうかもだけど..でも、私もここでじっとしてられない。それに、狩人さん1人はやっぱりダメだから』
絶対についていくと言いたげに深紅の瞳がきらりと光り、生半可な覚悟ではないことがひしひしと伝わってくる
ユウ『よし。魔法は使えないけど、僕のできることで全力で君を守る』
エペル『俺も、レイラのこともユウのことも守る。絶対..は約束できないけど。俺だって、俺にできることをやる!』
『二人共..あ、ありがと..//』
真剣な眼差しと自身を守ってくれるという偽りのない言葉に、じんわりと心が温まる感覚と共に頬へ熱が灯る
エペル『(可愛い..)じゃあ、早速ルークサンを追いかけよう。少し待ってて..箒を持ってくる』
『あ、林檎くん。出来たら一本貸してほしいの。私の、多分壊れちゃってるから』
エペル『分かった!すぐ取ってくるよ』
『ユウ..』
ユウ『1つだけ約束して』
『無茶はしないこと、でしょ』
ユウ『それと、必ず一人じゃなくて僕らのことも頼ること』
『ん。あ、でもそれじゃあ2つになっちゃうね』
ユウ『ほんとだ..』