第72章 *猛追ハンター*
エペル『撮影もなんも、まず戻って来られるがどがも分がんねのに!っつが、あんた副寮長だべ!?寮空げだらまねべよ!』
ルーク『私はポムフィオーレ副寮長である前に、美を求め美を助くことを人生のテーマとする、"愛の狩人"。今まさに損なわれようとしている美を見過ごすことはできない!!
故に私は、我が友の美を守るために今..旅立つ!!』
エペル『いや、そういうことを言ってるんじゃなくて..!』
ユウ『嘆きの島はどこにあるか分からないんじゃないんですか?』
『狩人さんは、分かるの?』
ルーク『嘆きの島の所在地は神秘のベールに包まれている..でも、心配はご無用さ。私にはヴィル達がどこにいるのか、"視える"からね』
ハンターグリーンの瞳がスッと細まり、彼の口元には小さな笑みが浮かんでいた
エペル『視える?それってどういう..』
ルーク『ああ..刻一刻日没が迫ってきている。名残惜しいが、私は行かねばならない。
それでは失礼するよ。アデュゥ!!』
一方的に別れを告げると、さっと箒へ跨り、物凄いスピードで鏡舎を飛び出していってしまった
エペル『ま、待ってくださいルークサン!ルークサーーーン!!!』
エペルの静止の声は既に上空へ飛び去ったルークには届くことなく、ただ虚しくその場に響き渡った
『狩人さん..行っちゃった』
エペル『嘆きの島って、ヴィルサンたちを攫った鎧の奴らがウジャウジャいるの、かな。いくらルークサンでも一人で乗り込むなんて、絶対危ないよ..』
ユウ『これからどうする?』
エペル『先生に報告..いや、その前に追いかけて止めたほうが..だめだ、クルーウェル先生は大人しくしてろって..でも、ううっ..』
何が今最善な行動なのかを頭で必死に考えるエペルだったが、追いかけるも待つのもどちらも大事なことだと分かっているがゆえに彼を悩ませた
だがついに限界を超えたのか、ワシワシと乱暴に頭をかいて目をカッと見開いて大きく口を開いた
エペル『うぁ〜〜〜〜っ!!!わいーは!!ごちゃごちゃ考えでもしかだね!こったの、じっとしていらいねじゃ!
俺、ルークサンを追いかける!!』