第72章 *猛追ハンター*
保健室を後にすると、少し離れた所で帰りを待っていたユウとエペル・ジャックがこちらへ振り向いた
ユウ『お帰り。お話は終わった?』
『ん』
エペル『どうしたの?少しソワソワしてる』
『宿題出された』
エペル『宿題?』
『でも内緒なの。だから、3人とも気にしないで』
ジャック『困ってるわけじゃねぇんだな?』
『ん』
ジャック『ならいい』
ユウ『それじゃあ行こうか。おいで』
優しい笑みで差し伸べられた手をとると、レイラはユウ達と共に歩き出した
ナイトレイブンカレッジ・メインストリート
ジャック『そういや、お前ら。オンボロ寮が壊れたんなら、どこで寝泊まりするつもりなんだ?』
先頭を歩いていたジャックがふと思い出したように振り向いて問いかけると、今の今まで忘れていたユウとレイラは、"あっ.."と声をもらした
ユウ『忘れてたよ』
『すごいボロボロになっちゃった..どうしよ』
不安を隠せない様子を見ていたエペルは、少し考えてから二人にある一つの提案を申し出た
エペル『ね、ユウクン、レイラちゃん。オンボロ寮が何とかなるまでは、ポムフィオーレにおいでよ。ヴィルサンなら、きっとそう言う..かなって』
ジャック『だな。あの人なら言ってくれそうだ』
ユウ『う〜ん..じゃあ、お世話になろうかな。レイラもそれでいい?』
『ん、勿論』
ユウ『じゃあよろしくお願いするね』
エペル『ふふ。それじゃあ一緒にポムフィオーレに帰ろう。きっとルークサンも歓迎してくれるよ!』
二人の返事にエペルは、凄く嬉しそうに顔をほころばせた
ナイトレイブンカレッジ・鏡舎
鏡舎へとつくと、ジャックはサバナクローへの鏡の方へ、エペルたちはポムフィオーレへの鏡の方へと分かれて歩いていく
ジャック『じゃあな、3人とも』
エペル『うん。今日はありがと、ジャッククン』
ユウ『じゃあね』
『またね』
小さく笑みを浮かべて鏡の中へと入っていく姿を、3人は軽く手を振りながら見送った
エペル『長い1日だったね。寮に戻ったらシャワーを浴びて..』
どっと疲れがこみ上げてきた体を引きずりながら、エペルは先陣をきって鏡へと足を踏み出した
ドン!!