第71章 *強靭インベーダー*
ラギー『ち、ちょっと待って下さい。混乱してきたっす。レオナさんから、イデアさんの実家は大財閥の分家ってことだけ聞いてたんすけど。それは表向きの顔で..裏では嘆きの島の番人としてレオナさんたちを攫ったS.T.Y.Xのボスやってるってこと?』
リリア『ああ。嘆きの島の番人は、今でこそ都市伝説のような扱いをされておるが..かつて魔法士が魔法使いや魔女と呼ばれていた頃、やつらの存在を恐れぬ者はいなかった。"魔法使いが我を忘れて力に溺れる時、嘆きの島より罰が下る"..とな』
マレウス『我が王家に伝わる古文書によれば、かの組織の歴史は非常に古く、起源は神々の時代まで遡る。まだ魔法とブロットの因果関係が解明されていなかった時代..』
全員が真剣な眼差しで耳を傾ける中、マレウスたちは嘆きの島の番人の歴史を語りだす
かつて厄災だと言われていたオーバーブロットした者たちを島に封じて平和をもたらしたジュピター家
それを島から出さないための番人となっていたのが、シュラウド家
時が経ち、安全に魔法が使われるようになり、更に魔法関係の事件を取り締まる機関が設立されたことで、嘆きの島の番人たちは表舞台から姿を消したものの、内部でブロットの研究を続けていき、S.T.Y.Xという非政府組織として今も存在する
トレイン『イデア・シュラウド..彼がシュラウド家の子息であることは我々も把握していたが..シュラウド家とS.T.Y.Xの密接な繋がりには初耳だ。学園長は、イデア・シュラウドがS.T.Y.Xと関わりがあることをご存知だったのだろうか?
もし、ご存知だったなら..シュラウド家を通し、このような事態を回避できるよう働きかけることはできなかったのだろうか..』
腕を組みながら悩ましげに眉を寄せるトレインの傍らで、マレウスは"知っていたとしても番人を止めることはできなかっただろう"と静かに答えた
トレイ『S.T.Y.Xは、オーバーブロット経験者であるリドルたちを捕らえて何をするつもりなんだ?』
ジェイド『リリアさんのお話を聞く限り、丁重におもてなしされているとは思えませんが。良くて精密検査、悪くて彼らの実験対象。最悪の場合、既に生きては..』
カリム『おい!冗談でもそういうこと言うのやめろよ、ジェイド』